技術にとどまらない多面性

IWCというウォッチブランドを語る上で、パーペチュアル・カレンダーの存在は欠かせない。
この複雑機構を搭載したモデルを紹介しながら、技術力にとどまらない、エレガンスの体現者としての、また先進性に果敢に取り組むチャレンジャーとしてのIWCの魅力を再発見する。

Photo Takehiro Hiramatsu(digni)  Text Yasushi Matsuami

IWCというウォッチブランドを語る上で、パーペチュアル・カレンダーの存在は欠かせない。
この複雑機構を搭載したモデルを紹介しながら、技術力にとどまらない、エレガンスの体現者としての、また先進性に果敢に取り組むチャレンジャーとしてのIWCの魅力を再発見する。

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    (左)6時位置にデイ&ナイト表示を搭載。レッドゴールドのベゼルにダイヤモンドをセッティング。アワーマーカーの外側にもポイントダイヤ12個をあしらった。トープカラーのストラップも、優雅な雰囲気。クイック交換システムにより、別売りのストラップと容易にチェンジすることも可能。
    「ポートフィノ・オートマティック デイ&ナイト34」自動巻き、ケース径34㎜、RGケース×カーフスキンストラップ、5気圧防水、2,827,000円。

    (右)パーペチュアル・カレンダー機能を持った自社製キャリバー82650を登載。日付、月とムーンフェイズ、曜日と閏年表示をバランスよく配置し、控えめな上品さを漂わせる。ブルースチールの秒針やカウンター内の各表示針と色調を合わせたブルーのストラップも心憎い演出だ。「ポートフィノ・パーペチュアル・カレンダー」自動巻き、ケース径40㎜、RGケース×カーフスキンストラップ、5気圧防水、4,972,000円。
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    米海軍航空機兵器学校、通称トップ・ガンとのパートナーシップから生まれたコレクションのパーペチュアル・カレンダーモデル。PantoneRと提携し、「IWC Lake Tahoe」と名付けられたホワイトカラーのセラミックケースに、ブラック×ホワイトのくっきりとしたコントラストで視認性を確保した文字盤を合わせた。
    自社製キャリバー52615搭載。「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー・トップ・ガン“レイク・タホ”」自動巻き、ケース径46.6㎜、セラミックケース×ラバーストラップ、6気圧防水、5,852,000円。
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    チタニウムとセラミックのメリットを兼ね備えたIWCの独自開発素材セラタニウムRをケースとブレスレットに採用。「IWCセラタニウムR」と名付けられたマットブラックカラーも精悍。168時間パワーリザーブ。自社製キャリバー52615搭載。「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー・トップガン・セラタニウム」自動巻き、ケース径46.2㎜、セラタニウムRケース×セラタニウムRブレスレット、6気圧防水、7,700,000円。
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パーペチュアル・カレンダー機構は、IWCの技術力を象徴する存在として知られている。1980年代半ば、当時の技術責任者クルト・クラウス氏の尽力で完成したパーペチュアル・カレンダーは、機械式時計の復興を象徴する存在となり、その後もブランドの“顔”となっていく。

それもあってか、IWCは“質実剛健なマニュファクチュール”という文脈で語られることが多い。確かにその通りなのだが、それはIWCの一つ側面に過ぎない。

例えばIWCにはエレガンスを追求する側面もある。それを物語るコレクションが「ポートフィノ」である。 イタリア北部ジェノバ近郊の瀟洒(しょうしゃ)な港町ポートフィノは、イタリアンリビエラのリゾートとして、ハリウッドスターを始め、世界中のセレブリティーに愛されてきた。その名を冠した同コレクションは、ピュアなラウンドケースにストレートラグを備え、すらりと伸びたリーフ針や、12時位置のみローマ数字とした繊細なアプライドインデックスなどが、品格あるエレガンスを奏でている。

IWCを象徴するパーペチュアル・カレンダー機構を搭載した「ポートフィノ・ パーペチュアル・カレンダー」は、3時位置に日付、6時位置に月とムーンフェイズ、9時位置に曜日とうるう年表示をバランスよく配置し、控えめな端正さが印象深い。
18Kゴールド素材のケースも、この時計の揺るぎない価値に寄与している。

「ポートフィノ」にはIWCのコレクションの中で唯一、18Kゴールドケースにダイヤモンドをセットした小振りな女性用モデルも用意されている。プレステージ感のあるペアウォッチを探している向きには絶好の選択肢となるに違いない。

先進性に積極的なこともIWCを語る上で欠かせない側面だろう。
80年代、IWCは他に先駆けてブラックセラミック製ケースを開発。それから間もなく、ホワイトセラミックの実験的製造にも着手。現在ではホワイトはもちろん、アースカラーの「モハーヴェ・デザート」や、ダークグリーンの「ウッドランド」などの他にないカラーまでも実現させている。

近年、独自開発した新素材セラタニウム®も、IWCの先進性を示すものだ。チタニウム合金に特殊な処理を施すことでセラミックと同等の表面硬度を実現し、両者のメリットを兼備。独特なマットブラックカラーも目を引き付ける。

IWCは、国際標準の色見本帳などで知られるPantone®とパートナーシップを締結。「IWC レイク・タホ」と名付けられたホワイトカラーや、セラタニウム®ならではのマットブラックカラー「IWCセラタニウム®」などが、Pantone®の公認色となっている。こうした独自色のセラミックやセラタニウムケースに、パーペチュアル・カレンダーを搭載したモデルは、伝統性と先進性とが融合したIWCの魂を宿すものと言えそうだ。

IWCのさまざまな側面を、パーペチュアル・カレンダーを軸として解き明かせば、新たな発見や驚きに遭遇できる。

●問い合わせ
IWC 0120-05-1868

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ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
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