神経締め、墨・血抜きして極上に

赤崎町出身の漁師・小掠誠さんは、釣り上げた白イカを船上で神経締めと墨抜き、血抜きまで徹底して行う。こうすることで、2日目でも新鮮で甘みもあるおいしいイカが出来上がるという。

Photo TONY TANIUCHI  Text Rie Nakajima

赤崎町出身の漁師・小掠誠さんは、釣り上げた白イカを船上で神経締めと墨抜き、血抜きまで徹底して行う。こうすることで、2日目でも新鮮で甘みもあるおいしいイカが出来上がるという。

  • 赤崎町漁協の白イカ(ケンサキイカ)
    「皮をはぐと、驚きの透明感ですね。身が透き通っているのは、まだまだ新鮮だということ。2日目のイカではあり得ない色です」と神田さん。
  • 赤崎町漁協の白イカ(ケンサキイカ)
    漁師の小掠誠さんが、前日に釣り上げてすぐに神経締めして墨袋をとり除いた白イカを、冷蔵庫に1日入れておいた、2日目のものを見せてくれた。
  • 赤崎町漁協の白イカ(ケンサキイカ)
    神経締めをするということは、イカの筋肉の組織を壊さず、生きているような状態を保っている。5日目まで甘みが増していくという。
  • 赤崎町漁協の白イカ(ケンサキイカ)
    目のすぐ上から医療用の鉗子(カンシ)を入れて神経締めをする。この位置ですればゲソまでしっかりと締めることができるという。
  • 赤崎町漁協の白イカ(ケンサキイカ)
    2日目の白イカを食べて「とれたてのアオリイカくらいの甘みがある。筋肉の組織が壊れていないから食感もすごくいいです」と神田さん。
  • 赤崎町漁協の白イカ(ケンサキイカ)
    小掠さんの白イカを店で出している、四季彩「かしも」の樫本智史さんが手際よく、イカをおろす。包丁が透き通って見えるほど身は透明だ。

白イカは7月下旬から産卵に入り、1年足らずのその生涯を終える。そして、新たな命が育ち、秋ごろには“ブドウイカ”として、地元の食卓に再び上がる。

小掠さんは「サイズは小さめで肉厚な、秋にとれるこのブドウイカを、ぜひ神田さんに食べてみてほしい」と満面の笑み。小ぶりながら肉厚で、もっと甘みが強いという“ブドウイカ”の味が気になって仕方がない様子の神田さんだった。

●赤碕町漁業協同組合
TEL 0858-55-0421

※『Nile’s NILE』2019年9月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

▼美味往還、旨し国 伯耆・因幡 関連記事
糖度21.5度の白ネギを産する自然栽培
やさしい牛はあっさりとした脂肪の肉に
里山の自然環境を再現する“活地気農法”
有機肥料の配合を変えて作るオーダーメイド野菜
ジビエの神様
梨、風が吹く丘の上で
野菜も米も、大切に相対する
豆腐で育てた鳥取地どりピヨ
神経締め、墨・血抜きして極上に
歴史ある漁港の若い力
淀江漁港
御来屋漁港
醸は農なり日置桜
燗してなおよくなる辨天娘

1 2
ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。