羊たちとの友情

ヨーロッパから大陸伝いに中国まできていたにもかかわらず、日本では長年、その姿を見たことがなかった羊。かつての日本人にとっては珍獣である。家畜としてはかなり優秀だ。雑草を食べ、それを羊毛や肉、乳に換えて、人間の命をつないでくれる。たいていは集団で行動し、集まって草を食み眠る。臆病なくせに、一匹であることに気づくと不安から凶暴になる。その生態もユニークだ。
現代の日本でも奇妙な現象が起きている。それは仔羊肉の行方。国内ほとんどの羊肉を生産しているのは北海道であるにもかかわらず、その肉を日本人はほとんど口にしていない。何とも不可思議だ。
愛らしくて親しみやすい動物であるのに、実は知らないことが多すぎる羊の存在意義、その正体を探る。

Photo Masahiro Goda  Text Junko Chiba

ヨーロッパから大陸伝いに中国まできていたにもかかわらず、日本では長年、その姿を見たことがなかった羊。かつての日本人にとっては珍獣である。家畜としてはかなり優秀だ。雑草を食べ、それを羊毛や肉、乳に換えて、人間の命をつないでくれる。たいていは集団で行動し、集まって草を食み眠る。臆病なくせに、一匹であることに気づくと不安から凶暴になる。その生態もユニークだ。
現代の日本でも奇妙な現象が起きている。それは仔羊肉の行方。国内ほとんどの羊肉を生産しているのは北海道であるにもかかわらず、その肉を日本人はほとんど口にしていない。何とも不可思議だ。
愛らしくて親しみやすい動物であるのに、実は知らないことが多すぎる羊の存在意義、その正体を探る。

羊たちとの友情、羊特集、5月号
ニュージーランドから「レストラン ラフィナージュ」にやって来たラム肉。フランス料理における最高の食材だ。広大な放牧場でいい餌を食べ、十分に運動をし、ストレスフリーで自然に育てられた羊だからこそ、格別の味わいが実現する。

▼目次「羊たちとの友情」
・極上の味付けはシェフの「羊愛」
・伝統のスペシャリテを守るための挑戦
・羊たちと逆風の中を生き抜く

※『Nile’s NILE』2024年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。