令和を食べる Ⅰ 目次
日本料理 かんだ(元麻布 かんだ) 神田裕行
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「『美しい味』と書いて『美味しい』と読む。それは、日本料理だけが実現できるものだと思っています。
例えばお吸い物。一口目は薄いと感じるけれど、最後まで飲んで脳と体に塩分が蓄積されて初めておいしいと思える。こうした日本料理の美学をさらに突き詰め、目には見えない部分こそを大切にする。それが令和の料理だと考えています」リューズ 飯塚隆太
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「料理で自分のルーツを意識する。この流れはますます強くなるのではないでしょうか。
料理は、複雑といえば複雑ですが、シンプルといえばシンプル。“料理が好き”、“ゲストに満足していただきたい”というピュアな心に行き着くのですから」カンテサンス 岸田周三
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「筍農家さんで、掘りたてをその場で出汁で煮た筍が、びっくりするほどおいしくて。日本にはまだまだ僕の知らないおいしいものがあるんだな、と悔しく思いましたね。
だから、もっともっと考えることはたくさんあるな、と。食材を守りながら、自分自身もさらに飛躍していける時代にしたいですね」赤坂 桃の木(御田町 桃の木) 小林武志
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「今までは“中華”であることにこだわって、バター、オリーブオイル、山葵、ポン酢、ナンプラーといった調味料は使わないようにしていました。でもむしろ中国本土や台湾では普通に使われているのです。そうした調味料も取り入れることで、よりおいしくなればいいのではないかと思うようになり、少しずつ料理が変わってきました」
※『Nile’s NILE』2019年5月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています