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近江町市場
地元では親しみを込め、近江町市場を「お」にアクセントをつけ「おみちょ」と呼ぶ。2009年に市場の一部はビルの中に入った。市場ビルの1階には鮮魚店、青果店などが軒を連ね、対面販売の声が響く。
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(左)生産者に寄り添う北形青果。加賀野菜、県産野菜の品ぞろえが豊富だ。地元の料亭から厚い信頼を得ている。
(右)以前の市場の雰囲気を残す青果通り口。近江町市場は四方に八つの入り口があり、鮮魚通りなどジャンル別に店が並ぶ。
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(左)忠村水産の鮮魚売り場の一角。金沢には欠かせないノドグロを始め、高級魚キジハタや、大きなカサゴ、春が旬のサヨリ、マコガレイ、ナメタガレイなど高級魚ばかりが並ぶ。
(右)1924(大正13)年創業の忠村水産は、高品質を誇る。市場内に一般向けの小売部とプロ向け業務部(卸)の2店舗がある。
金沢を拠点に復興へ
前田利家が加賀百万石という栄華を極めた金沢には、その雅で優美な姿がそこかしこに残る。能登半島を手の親指に例えると、その付け根に位置するのが金沢だ。今回の地震で甚大な被害が出た奥能登を下支えしている。2月10日に輪島市などで受け入れが始まったボランティアは、金沢市内からバスで陸路を通う。また、珠洲市や能登町の中学生約140人が、金沢市内に集団避難中だ。
近江町市場には、例年の6割程度だというが観光客でにぎわう。施設の設備などに被害があった金沢21世紀美術館は、利用できないゾーンがあるものの開館中だ。
新年を祝う元日に起きた大地震に、言葉を失った人も多いだろう。これからは深刻な打撃を受けた地域を支えながら、復旧・復興に向けた具体的な支援をしていかなければならない。地震発生から1カ月以上が経つ今も、復旧が手付かずの地域もあれば、復興に向けて歩み始めている地域もある。そしてもう一つ、忘れてはいけないのは、被災地に心を寄せ続けるという“支援”ではないだろうか。
※『Nile’s NILE』2024年3月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています