時のクリエーション

パンデミッククライシスの収束が見通せない状況下、ロシアがウクライナに侵攻し、世界は不安な空気感に覆われたままだ。そんな中、新作タイムピースのエキシビション「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2022」が、3月30日から4月5日の7日間にわたって開催され、同じタイミングで多くのメゾンが新作を発表した。そこから見えてきたものとは?

Text Yasushi Matsuami

パンデミッククライシスの収束が見通せない状況下、ロシアがウクライナに侵攻し、世界は不安な空気感に覆われたままだ。そんな中、新作タイムピースのエキシビション「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2022」が、3月30日から4月5日の7日間にわたって開催され、同じタイミングで多くのメゾンが新作を発表した。そこから見えてきたものとは?

技術が紡ぎ出す煌めきを淑女に

女性を意識したハイエンドモデルにこそ、メゾンのクリエイティブな実力が発揮されるケースが少なくない。エングレーブ、エナメル、ジュエリーセッティングなどの伝統的な技法は、審美眼の高い淑女を満足させるためには不可欠。加えて、高度なメカニズムへの理解と称賛を惜しまない女性のためのタイムピースも、さらに充実してきた。

LOUIS VUITTON

タンブール スリム ヴィヴィエンヌ ジャンピングアワー カジノ|LOUIS VUITTON
「タンブール スリム ヴィヴィエンヌ ジャンピングアワー カジノ」自動巻き、ケース径38mm、YGケース×アリゲーターストラップ、5気圧防水。13,150,000円(参考価格)。

メゾンのマスコット、ヴィヴィエンヌがカジノディーラーに扮し時刻を示す愛らしいモデル。右左の手の下の窓に交互に時が表示され、センターからの針の先端のスペードのAが分を示す。グリーン文字盤はレア鉱物のスカルン製。ベゼルにはツァボライトとルビーを、リューズ、ラグ、文字盤にはダイヤモンドをセット。

●ルイ・ヴィトン クライアントサービス
TEL 0120-00-1854

HARRY WINSTON

HW アヴェニュー・クラシック ムーンフェイズ|HARRY WINSTON
「HW アヴェニュー・クラシック ムーンフェイズ」クオーツ、ケースサイズ36.1×21.4mm、RGケース×アリゲーターストラップ、3気圧防水。5,027,000円。6月発売予定。

2019年にデビューしたムーンフェイズ搭載モデルの新色ダイヤルが登場。ロゴ位置から放射状に光が降り注ぐ「フェアリースカイ」デザインのマザー・オブ・パール文字盤に、メゾン独自のセッティング技術「クラスター」によってダイヤモンドが躍動的に煌めく。ケース、リューズ、バックルにもダイヤモンドをセット。

●ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション 
TEL 0120-346-376

VAN CLEEF & ARPELS

レディ アーペル ユール フローラル スリジエ ウォッチ|VAN CLEEF & ARPELS
「レディ アーペル ユール フローラル スリジエ ウォッチ」自動巻き、ケース径38mm、RGケース×アリゲーターストラップ、3気圧防水。31,020,000円。

細密彫金とエナメル技法の粋を凝らし、ダイヤモンドやサファイア、シロチョウガイなどをあしらった文字盤に、1時間ごとにランダムに開花する12輪の桜の花を配し、その数で時を示す。9時位置のケースサイドに小窓からうかがえる分表示を備える。266枚もの歯車で制御する複雑機構が、ポエティックな花時計に隠されている。

●ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク
TEL 0120-10-1906

PIAGET

ライムライト ガラ ハイジュエリー|PIAGET
「ライムライト ガラ ハイジュエリー」クオーツ、ケースサイズ27.9×22.9mm、WGケース×WGブレスレット、3気圧防水。55,440,000円。

アシンメトリーなラグのデザインを特徴とする「ライムライト ガラ」の創造性に満ちたハイジュエリーピース。ブリリアントカット、バゲットカット、マーキスカットのダイヤモンド計250個以上を、それぞれ異なる技法で贅沢にセッティングし、立体感に富んだ生き生きとした表情を演出。

●ピアジェ 
TEL 0120-73-1874

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。