「山の鳥取」が生む食の絶品

鳥取の食材というとカニなどの海の幸のイメージが強いが、南部に連なる山間部でも魅力的な品々が多数作られている。清冽な水、澄んだ空気、深い山林。こうした自然条件と、情熱ある生産者がかけ合わさり、新しい絶品が次々と生まれているのだ。今回は「食パラダイス鳥取県」の中から、わさび、えごま油、しいたけ、米、ジビエを紹介する。

Photo Masahiro Goda Text Izumi Shibata

鳥取の食材というとカニなどの海の幸のイメージが強いが、南部に連なる山間部でも魅力的な品々が多数作られている。清冽な水、澄んだ空気、深い山林。こうした自然条件と、情熱ある生産者がかけ合わさり、新しい絶品が次々と生まれているのだ。今回は「食パラダイス鳥取県」の中から、わさび、えごま油、しいたけ、米、ジビエを紹介する。

しいたつほだ場

県西部の山間にある日野町(ひのちょう)では、「しいたつ」こと廣瀬俊介さんが原木しいたけを栽培。廣瀬さんは“しいたけ好き”が高じて、原木しいたけ栽培に向くこの地に岡山県から移住してきた。

原木しいたけは、ほだ木に菌を植えてから2年後に生える。年月がかかるからこそうまみが強く、肉厚で肉質が密となる。廣瀬さんいわく「しいたけ栽培のポイントは、ほだ木作り。コナラなどの木を切り出すところから私は手掛けますが、その木をどれだけ乾燥させ、どのタイミングで菌を植えるかの判断が大事。菌が成長しやすいほだ木を作るのです」

栽培したしいたけを、廣瀬さんは乾しいたけにして出荷する。その際、昔ながらの天日干しを再現した、低温長時間の乾燥方法をとる。こうしてできた乾しいたけは熱湯で15分で戻る手軽さと、戻し汁のおいしさが特徴。「強い熱風で短時間で乾かす一般的な乾しいたけの戻し汁は、えぐみを感じることがあります。でも私たちのものは風味がまろやかでうまみがたっぷり。吸い物としてそのまま飲みたくなるほどです」

鳥取県西部山間地にある日野町。しいたつほだ場
しいたつほだ場
鳥取県西部山間地にある日野町ではかつて「たたら製鉄」が行われ、燃料作りに欠かせなかったクヌギ、コナラが今も豊富。これをしいたけのほだ木とし、しいたけに向く気候の山林内で栽培する。なお「しいたつ」は「しいたけの達人」の略。
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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。