「山の鳥取」が生む食の絶品

鳥取の食材というとカニなどの海の幸のイメージが強いが、南部に連なる山間部でも魅力的な品々が多数作られている。清冽な水、澄んだ空気、深い山林。こうした自然条件と、情熱ある生産者がかけ合わさり、新しい絶品が次々と生まれているのだ。今回は「食パラダイス鳥取県」の中から、わさび、えごま油、しいたけ、米、ジビエを紹介する。

Photo Masahiro Goda Text Izumi Shibata

鳥取の食材というとカニなどの海の幸のイメージが強いが、南部に連なる山間部でも魅力的な品々が多数作られている。清冽な水、澄んだ空気、深い山林。こうした自然条件と、情熱ある生産者がかけ合わさり、新しい絶品が次々と生まれているのだ。今回は「食パラダイス鳥取県」の中から、わさび、えごま油、しいたけ、米、ジビエを紹介する。

若桜農林振興

県東部、若桜町(わかさちょう)では、山間の棚田で米が作られてきた。きれいな水と空気、200~500mの標高からくる昼夜の寒暖差が、米を風味豊かに仕上げる。

「この上質な米を地域のブランドとしたのが『若桜のお米』です」と、若桜農林振興代表取締役の小林正樹さん。「風味高く作り上げた米は、3年前に建設された最新型の精米施設で、高品質な処理にかけます。それにより一層深い味となるのです」

鳥取県、若桜農林振興。上質な米の産地
若桜農林振興
山深い地域に位置する若桜町は、上質な米の産地で、山間には古くから棚田が造られてきた。水源に近い清らかな水、澄んだ空気、そして標高200~500mの高地ゆえに生まれる昼夜の寒暖差がこの地の特徴。凝縮した味わいの米が実る。

若桜農林振興ではえごま油も手掛け、栽培、収穫、選別、搾油まで一貫して行う。「この地の在来種のえごまの実を、近年増えてきた耕作放棄地を利用して栽培し、搾油所も造って町の新しい特産品にする。この計画が3年前に形になりました」と小林さん。「徹底的な品質追求で他と差別化しています」

高品質実現の最大のポイントが、加熱せずに圧力だけで搾るコールドプレス。「この地の在来種のえごまは、食べ物からしか摂取できない必須脂肪酸の一つα-リノレン酸”が多く含まれます」と、スタッフの西浦義孝さん(右)。小林さん(左)と小学校からの同窓生である仲の良い二人が、えごま油に誇りを持って作る。

鳥取県東部の山間地にある若桜町、えごまの産地
若桜農林振興
鳥取県東部の山間地にある若桜町。この地の在来種のえごまは、風味豊かで健康に有用な成分も多く含む。若桜農林振興ではえごまの実をていねいに選別し、コールドプレスで搾油。高品質なえごま油を生み出している。
  • 鳥取、若桜農林振興。えごまの花の時期は9月中旬で、実が熟す10月中旬に収穫
    えごまの花の時期は9月中旬で、実が熟す10月中旬に収穫。油の原料とする。
  • 鳥取、若桜農林振興。今年で5年目を迎えたえごま栽培
    今年で5年目を迎えたえごま栽培。耕作放棄地だった農地をあて、その油を町の特産品に育てる。
  • 鳥取、若桜農林振興のえごま。ていねいに選別された実を使用
    ていねいに選別された実を使用。生絞りと焙煎(ばいせん)搾りの2種の製品を製造する。
  • 鳥取、若桜農林振興のえごま。熱を加えないコールドプレス製法で搾油
    熱を加えないコールドプレス製法で搾油。風味よく仕上がり、体への有効成分も多く残る。
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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。