神宮外苑、再開発に思う

明治神宮外苑。ラグビー場や野球場など、さまざまなスポーツ施設を含むこの緑地帯は、今まさに再開発計画が進められようとしている中、次の100年に向けての岐路に立つ。果たして神宮を彩る樹木たちは、これからどんな「明日の神話」をつづるのか。この機に森を見つめ直したい。

Photo Masahiro Goda  Text Junko Chiba

明治神宮外苑。ラグビー場や野球場など、さまざまなスポーツ施設を含むこの緑地帯は、今まさに再開発計画が進められようとしている中、次の100年に向けての岐路に立つ。果たして神宮を彩る樹木たちは、これからどんな「明日の神話」をつづるのか。この機に森を見つめ直したい。

永遠の杜より続く

緑の象徴、いちょう並木

明治神宮、いちょう並木
1923年にできたいちょう並木は、明治神宮内の苗圃で樹高6m内外に成長していた1600本のいちょうの木より選ばれ、さらに年々樹形を整えてきたものを植栽したもの。

神宮外苑は内苑と同時期に造営が決定した。敷地は内苑から少し離れた「旧青山練兵場跡」。新宿区と港区にまたがる緑豊かな公園だ。
その緑の象徴がいちょう並木。青山通り口から中央広場円周道路に至る3300mの道に、4列の並木が146本、9m間隔で植えられている。春の芽生え、夏の青葉、秋の黄葉、冬の裸木……景観移ろう四季を通じて、都民に散歩道として親しまれている。

外苑はスポーツの聖地

特徴的なのは、明治天皇・昭憲皇太后の御聖徳を永く後世に伝える聖徳記念絵画館を中心に、各種スポーツ施設が集まっていること。たとえば神宮球場。東京六大学野球を始めとする学生野球の聖地であり、プロ野球・東京ヤクルトスワローズのホームグラウンドだ。

また秩父宮ラグビー場は「西の花園」と並ぶ日本ラグビーの聖地だし、56年ぶりに生まれ変わった国立競技場は2020東京オリンピック・パラリンピックの舞台になった。

このほかテニスクラブやアイススケート場、バッティングドームなどの施設も充実しており、外苑全体がまさに「スポーツの聖地」たる輝きを発する。おそらく多くの方がこれらのスポーツ施設を通して、外苑に親しんできたことだろう。

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
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