El hermoso mundo del Jamón Ibérico (2)

マタンサ・ファミリア  それは冬に備えた生ハムや腸詰め作りで、家族・親族が一堂に会する大事な日。それは伝統的な共同作業であり、家族に幸せな食卓をもたらしてくれるはずである。

Photo Chiyoshi Suga  Text Chiyoshi Suga

マタンサ・ファミリア  それは冬に備えた生ハムや腸詰め作りで、家族・親族が一堂に会する大事な日。それは伝統的な共同作業であり、家族に幸せな食卓をもたらしてくれるはずである。

毛は火で炙って除去、整形された後ろ足は表面の皮をV字にカットされハモンの形となり、丹念に粗塩を擦り込む。

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ロドリゲス家の裏の囲いには数頭のイベリコ豚がいて、男たちが近づくと身の危険を察知してかギィ~!と激しく叫び暴れる。屠畜を控え、お腹を空っぽにするため一日以上も水以外の餌をもらっていない空腹の怒りだったのかもしれない。

マタンサが始まる。豚は屠畜され素早く解体される。血は凝固しないようにかき回され、にんにくや玉葱、香辛料などを練り合わせて加え、腸詰めにして湯通しをしてから陰干しするとモルシージャ(血入りソーセージ)が出来上がる。腸はあらかじめ塩水で洗いレモン水につけ置かれている。作業は手際よく同時進行で進む。

お母さんのパウラとピラールはロモ(ロース)、チョリソ(スパイシー・ソーセージ)やモルシージャなどの腸詰め類を次々に作っていく。ラードで揚げた皮はチチャロンと呼び、ワインのツマミにもぴったり。捨てられる部位は何もない。

生ハム担当はマヌエル。後ろ足の皮をV字にカットするのが整形の特徴で、粗塩を全体に擦り付ける。

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    (左)焼いたばかりのモルシージャとリブ、そしてパン。(中)マヌエルの息子カルボくんもお手伝(右)腸詰めに準備されたパプリカにはさまざまなスパイスも。
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    (左)パプリカで真っ赤なロモを持つパウラとピラール。(中)慣れた手付きで手際よく腸詰めを作るパウラ。(右)腸詰めを作るパウラとピラール。ミンチは上から。
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    (左)作業後のテーブルを仕切るホセには主人らしい風格が。(中)マノロは解体を終えると幾分手持ち無沙汰だった。(右)解体され、整形されるまで室内に吊られ保存される。
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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。