世界遺産に登録されている古社・宗像(むなかた)大社が鎮座する福岡県宗像市。近年は大量のプラスチック製品などが海ごみとして海岸に押し寄せ、深刻な状況となっている。そこで、ロボット研究者と海岸環境保全学の専門家が力を合わせ、海ごみを減らす仕組み作りを目指している。
日本では海ごみの65パーセント以上がプラスチック製品で、そのおよそ8割は陸から流入している。プラスチック製品は安くて軽く丈夫で腐食しないため、さまざまな形に姿を変え、私たちの便利な生活を支えてきた。
ところが、大量に消費され、廃棄されたプラスチック製品が、紫外線劣化などにより破砕されたものが、5ミリメートル以下のマイクロプラスチックとなり、河川や下水を経て最終的に海洋に集積していく。マイクロプラスチックとなるとほぼ回収不能で、海洋生物に誤食されて生態系に深刻な影響を与えている。
九州大学大学院工学研究院環境社会部門 准教授の清野さんが、ロボット開発研究専門家の林さんに声をかけ、海ごみ対策のロボット開発が始まった。2018年に清野さんを理事長とするBC-ROBOP海岸工学会が結成された。
ロボットを活用したビーチクリーン活動は社会的注目を集め、メディアにも紹介されている。