GLS1阻害薬と健康寿命
こうなると、内臓の若さだけでなく、動ける体、つかれにくい体を取り戻せる可能性さえある。
「老化というのは人によって症状の出方も進行具合も違い、ああしたからこう老化するという因果関係が明確ではありません。一卵性双生児でも、同じように老化するということはありません。そのため病気とは認定されず、老化を治療するというのはなかなか難しいものがあります。
しかしGLS1という酵素と老化細胞の関係がわかったことで、GLS1阻害薬で老化によって起こる病気の発症が抑えられ、運動量の低下や代謝異常も抑えられるとなれば、人生100年時代ではなく、健康寿命を延ばして120歳くらいまで生きる可能性もあります」

図加し出医GLS1阻害剤を老齢マウスへと投与した結果、非投与群に比べて、投与群において、加齢に伴い生じる腎の糸球体硬化(左上段)、肺の線維化(左中段)、および肝臓の炎症細胞浸潤(左下段)や、さまざまな臓器・生理機能が改善された(中)。また生活習慣病である動脈硬化も顕著に改善した(右)。
出典:「老化細胞を選択的に除去するGLS 1阻害剤が加齢現象・老年病・生活習慣病を改善させることを証明」より