ミニマルに洗練を極めたレジェンド

ラグジュアリースポーツウォッチのパイオニア的存在であるオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」、そして「ロイヤル オーク オフショア」。進化を続けながら、常にシーンの最前線で注目を集めているタイムピースが、現在のファッション界で最も影響力のあるデザイナーとのコラボにより、刺激的な進化を見せる。

Text Yasushi Matsuami 

ラグジュアリースポーツウォッチのパイオニア的存在であるオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」、そして「ロイヤル オーク オフショア」。進化を続けながら、常にシーンの最前線で注目を集めているタイムピースが、現在のファッション界で最も影響力のあるデザイナーとのコラボにより、刺激的な進化を見せる。

マシュー・ウィリアムズ
マシュー・ウィリアムズ
1985年、アメリカ・シカゴ生まれ。2008年、レディー・ガガの舞台衣装製作チーム、ハウス・オブ・ガガのクリエイティブディレクターに就任。カニエ・ウェストらのステージ衣装でも注目を集める。12年、故ヴァージル・アブローらとDJ・アート集団、ビーントリルを立ち上げ、15年に自身のブランド、ALYX(18年に1017 ALYX 9SMに改称)を設立。16年、LVMHヤング ファッション デザイナー プライズのファイナリストに選出。ディオール、モンクレールを始め、数々のメゾンとのコラボレーションを実現。20年、ジバンシィのクリエイティブディレクターに就任。

かつてこんなにもミニマルに洗練を極めた「ロイヤル オーク」と「ロイヤル オーク オフショア」があっただろうか? 現在のファッションシーンで最も影響力のあるデザイナー、マシュー・ウィリアムズ率いる1017 ALYX 9SMとコラボした4モデルが、この8月ベールを脱いだ。

マシューはレディー・ガガやカニエ・ウェストらのステージ衣装を手掛けて注目を集め、2015年に自身のブランド、ALYX(18年に1017 ALYX 9SMに改称)を設立。ストリートとラグジュアリーとを融合させた、アバンギャルドでグラマラスなデザインで支持を集める。藤原ヒロシが主宰するフラグメントデザインを始めナイキラボ、ディオール、モンクレールなど名だたるメゾンとのコラボレーションも実現させ、20年にジバンシィのクリエイティブディレクターに就任したことも大きな話題となった。

今回の4つのコラボモデルはイエローゴールド仕様、ホワイトゴールド仕様ともにミニマルさを極めたクリーンでピュアなワントーンデザイン。ダイヤルは従来のタペストリーデザインに代わり、縦方向のヘアライン仕上げを採用。インデックスもクロノグラフカウンターも排し、12時位置にオーデマ ピゲのアプライドロゴ、6時位置にトランスファープリントによる1017 ALYX 9SMのロゴが控えめに入る。「ロイヤル オーク」と「ロイヤル オーク オフショア」が同時に同じデザインを発表したのも初めてのことだ。レジェンド的なタイムピースのかつてない刺激的なステージへの進化を、リスペクトを持って受け止めたい。

オーデマ ピゲ
1 2
ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。