かつてこんなにもミニマルに洗練を極めた「ロイヤル オーク」と「ロイヤル オーク オフショア」があっただろうか? 現在のファッションシーンで最も影響力のあるデザイナー、マシュー・ウィリアムズ率いる1017 ALYX 9SMとコラボした4モデルが、この8月ベールを脱いだ。
マシューはレディー・ガガやカニエ・ウェストらのステージ衣装を手掛けて注目を集め、2015年に自身のブランド、ALYX(18年に1017 ALYX 9SMに改称)を設立。ストリートとラグジュアリーとを融合させた、アバンギャルドでグラマラスなデザインで支持を集める。藤原ヒロシが主宰するフラグメントデザインを始めナイキラボ、ディオール、モンクレールなど名だたるメゾンとのコラボレーションも実現させ、20年にジバンシィのクリエイティブディレクターに就任したことも大きな話題となった。
今回の4つのコラボモデルはイエローゴールド仕様、ホワイトゴールド仕様ともにミニマルさを極めたクリーンでピュアなワントーンデザイン。ダイヤルは従来のタペストリーデザインに代わり、縦方向のヘアライン仕上げを採用。インデックスもクロノグラフカウンターも排し、12時位置にオーデマ ピゲのアプライドロゴ、6時位置にトランスファープリントによる1017 ALYX 9SMのロゴが控えめに入る。「ロイヤル オーク」と「ロイヤル オーク オフショア」が同時に同じデザインを発表したのも初めてのことだ。レジェンド的なタイムピースのかつてない刺激的なステージへの進化を、リスペクトを持って受け止めたい。