北海道に進出しては撤退の本州スーパー勢、「おじさんの聖地」と愛されたヨーカドーも19年の歴史に幕

「ありがとう、ヨーカドー!」「お疲れ!」

北海道内から撤退した「イトーヨーカドー」

 今月13日午後7時、札幌市東区の「イトーヨーカドーアリオ札幌店」では、整列した従業員たちに数百人の常連客から温かい言葉が飛び交った。北海道内最後のヨーカドーは、にぎやかな雰囲気の中で、19年間の営業を終えた。

 「ハトのマークは愛着があったんだけれど……」  近所に住む女性(54)は店内に響く「蛍の光」を聞きながら、ぽつりとつぶやいた。食料品はもちろん、衣料品や雑貨、本なども取り揃えており、オープン以来、週2回は通っていたという。夫も「下着や靴下も揃う『おじさんの聖地』だった」と懐かしんでいた。

 ヨーカドーは1975年に道内第1号店として帯広店をオープンし、ピークの2006年には15店舗を展開していた。胆振東部地震(2018年)直後や新型コロナ禍でも一部の店舗は営業を続け、道民の暮らしを支えてきた。しかし、昨年2月に採算が取れない地方店舗を整理し、経営の効率化を図るため、道内から撤退する方針を発表した。

「西友」も昨年9月に撤退

 道内では、これまで本州勢の進出と撤退が繰り返されてきた。1973年に進出した「ダイエー」は2015年に「イオン北海道」に吸収され、昨年には「西友」もイオンに9店舗を承継して閉店した。一方、道内勢では、1961年に札幌市内で「ダイマルスーパー」が開店し、その後、各地の有力なスーパーを合併・買収して「アークスグループ」を形成。現在、食品スーパー10社を束ねる巨大企業に成長した。

 イオンとアークスに加え、宅配サービス「トドック」で知られる「コープさっぽろ」は、道内で売り上げ上位を占める「3強」として盤石の地位を固めている。

ラグジュアリーとは何か?

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