わかさ29工房
同じ若桜町にあるわかさ29工房は、近辺の猟師が仕留めた鹿、イノシシを処理し、ジビエとして全国に出荷する施設。この工房の責任者、河戸建樹さん(中央)は実父である河戸健さんが指定管理を受けているわかさ29工房の実務を父から引き継ぎ、都内や関西の有名レストランから注文を受けている。
ジビエは処理の手際でまったく仕上がりの質が異なるが、河戸さんは経験豊かで技術が高い。「いかに早く冷やすかが大事です。搬入された鹿やイノシシはすぐに解体、枝肉(皮、内臓、頭、四肢の先端を落とした状態)にして冷蔵庫へ。ここまでで50分以内です」。他の処理場と比べると非常にスピーディーである。
河戸さんのもとには、全国から「技術を身につけたい」と若者が訪れる。現スタッフ、今堀敦司さん(左)、間屋口陽平さん(右)もそう。河戸さんいわく、「自然から命をいただいたなら、それを生かしきるのが人間の役目。肉は最大においしく仕上げます。皮も角も地域の作家に渡し、工芸品にします」。全国からの注文の多さは、手掛ける肉の質はもちろん、河戸さんの姿勢への共感も含まれているに違いない。
※『Nile’s NILE』2023年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています
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