若桜農林振興
県東部、若桜町(わかさちょう)では、山間の棚田で米が作られてきた。きれいな水と空気、200~500mの標高からくる昼夜の寒暖差が、米を風味豊かに仕上げる。
「この上質な米を地域のブランドとしたのが『若桜のお米』です」と、若桜農林振興代表取締役の小林正樹さん。「風味高く作り上げた米は、3年前に建設された最新型の精米施設で、高品質な処理にかけます。それにより一層深い味となるのです」
若桜農林振興ではえごま油も手掛け、栽培、収穫、選別、搾油まで一貫して行う。「この地の在来種のえごまの実を、近年増えてきた耕作放棄地を利用して栽培し、搾油所も造って町の新しい特産品にする。この計画が3年前に形になりました」と小林さん。「徹底的な品質追求で他と差別化しています」
高品質実現の最大のポイントが、加熱せずに圧力だけで搾るコールドプレス。「この地の在来種のえごまは、食べ物からしか摂取できない必須脂肪酸の一つα-リノレン酸”が多く含まれます」と、スタッフの西浦義孝さん(右)。小林さん(左)と小学校からの同窓生である仲の良い二人が、えごま油に誇りを持って作る。