
米子市淀江町(よどえちょう)にある淀江漁港は、約200年前には築港されたという記録が残る、歴史ある港だ。
大山寺信仰が盛んだった往時、淀江港には、大山寺の博労座(ばくろうざ)で春と秋に開かれていた牛市への牛船が着き、また境港や島根半島への交通の要衝として商船が出入りして、にぎわったという。
明治時代に入って陸上の交通が発達すると、商船は姿を消し、漁港へと姿を変えた。
淀江漁港では、ブリやアジ漁の他に、タコつぼ漁でも知られている。所属する漁師は約100人、その中で最も若い漁師が池淵和樹さんだ。現在、乗組員5人の定置網船「よどえ丸」の漁労長兼船長を務めている。まだ24歳の池淵さんは、日本で一番若い漁労長だという。
定置網漁は、魚を追いかける漁法と違い、過剰にとることがなく、環境にやさしい漁法として、今、見直されている。この日も、朝6時に出港し、沖合2km周辺で漁をして、8時には帰港。とってきた魚を手際よく仕分けし、ベテランの漁師に的確な指示を飛ばしながら、魚を氷詰めする池淵さんの姿は、すでに頼もしい。
「刻々と変わる潮の流れを読み、魚の産卵期などの生態系を考慮しながら、魚の習性を熟知して、船を操業しなければなりません。それには、さまざまな経験を積んでノウハウを蓄積する必要があるので、日々、勉強です!」
漁師4年目。根っからの魚好きだという池淵さんの活躍に期待が高まるばかりだ。
大山を始めとする、中国山地から栄養豊富な水が流れ込み、良質なプランクトンが生息する山陰海岸は、岩ガキの名産地。身は大きくなめらか、磯の香りあふれる濃厚な味わい。 生きているマダコ。マダコも神経締めをすると、その旨さを保つことができるという。淀江漁港では、古くからタコつぼ漁も盛んだ。県内で唯一、淀江だけがタコつぼ漁を操業している。 素潜りの漁師、元木輝さんが今、とってきたばかりの赤ウニ。イガイガはほんのりピンク色で赤ウニらしいきれいな色合い。赤ウニといってもよく見ると殻の色もさまざま。同様に身にも色の差がある。 漁港をウロウロしていた私たちに試食をしないかと声をかけてくれた漁師の元木さん。神田さんも微妙に違う色の赤ウニをあれこれ試食。「色が明るい身のほうが好み」だそう。
●鳥取県漁業協同組合 淀江支所
TEL 0859-56-2043
※『Nile’s NILE』2019年9月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています
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野菜も米も、大切に相対する
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神経締め、墨・血抜きして極上に
歴史ある漁港の若い力
淀江漁港
御来屋漁港
醸は農なり日置桜
燗してなおよくなる辨天娘