子牛の出産を担う繁殖牛舎
前田牧場:繁殖専心18年。進化を目指す
最初に向かったのは西部、前田牧場。数日前に初冠雪を戴いただいた大山のふもとで繁殖を手がける牧場だ。経営するのは「生まれながらにして牛飼い」を自任する前田皓(ひかる)さん。幼い頃から父の牧場を手伝い、20歳で独立。肉用牛繁殖経営に新規参入したという。
「こちらの牛舎には今、育成中の若い20頭を含めて約110頭の母牛がいます。彼女たちが年に80~90頭の子牛を産みます。今は母子が半年ほど同じ牛舎にいますが、11月末には、分娩させる牛舎と小さい子たちを入れる牛舎を新設する予定。いろんなばい菌を持ち込むカラスを排除するなど、環境を改善します」
前田牧場の牛は、母牛も子牛も「人なつっこい」と評判だそうだ。それは前田さんの「牛愛」の表れ。肉質にもいい影響を与えているに違いない。
「牛という生き物を相手にするこの仕事に、完璧はありえない。つまりゴールがない、そこがおもしろいですね。すばらしい肉質の鳥取和牛に育てるにはどうすればよいか、掛け合わせや飼料、環境、接し方など、あらゆる視点から試行錯誤を続けます」
そう語ってくれた前田さんは「将来的には肥育、販売も手がけたい」と意欲的だ。
「鳥取和牛の明日を担う4人衆鳥 後編」に続く
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