金沢を拠点に復興へ
前田利家が加賀百万石という栄華を極めた金沢には、その雅で優美な姿がそこかしこに残る。能登半島を手の親指に例えると、その付け根に位置するのが金沢だ。今回の地震で甚大な被害が出た奥能登を下支えしている。2月10日に輪島市などで受け入れが始まったボランティアは、金沢市内からバスで陸路を通う。また、珠洲市や能登町の中学生約140人が、金沢市内に集団避難中だ。
近江町市場には、例年の6割程度だというが観光客でにぎわう。施設の設備などに被害があった金沢21世紀美術館は、利用できないゾーンがあるものの開館中だ。
新年を祝う元日に起きた大地震に、言葉を失った人も多いだろう。これからは深刻な打撃を受けた地域を支えながら、復旧・復興に向けた具体的な支援をしていかなければならない。地震発生から1カ月以上が経つ今も、復旧が手付かずの地域もあれば、復興に向けて歩み始めている地域もある。そしてもう一つ、忘れてはいけないのは、被災地に心を寄せ続けるという“支援”ではないだろうか。

金沢市の中心部、緑が多いエリアに位置する金沢21世紀美術館。斬新でありながら親しみの持てる外観。2004年オープン以来、金沢の観光スポットとして大人気。

JR金沢駅東口は新幹線開業で名実ともに金沢の玄関となった。世界有数の美しさと評される駅の正面に立つ「鼓門」は、伝統芸能の鼓をイメージ。
※『Nile’s NILE』2024年3月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています