日本がテーマのオークションで、気鋭の若手時計師はどう評価されるのか?

  • 不朽の価値 第21回 まつあみ靖、日本がテーマのオークションで、気鋭の若手時計師はどう評価されるのか? 不朽の価値 第21回 まつあみ靖、日本がテーマのオークションで、気鋭の若手時計師はどう評価されるのか?
    マサズパスタイム「那由他モデルA」。篠原那由他氏がプロジェクトの中心となり、独自のムーブメントの設計・組み立てに加え、彫金や仕上げにマサズパスタイムの技術者の力を結集して完成させたモデルの特別仕様。手巻きキャリバーのテンワには、アルミニウムとセラミックの複合素材アルボロンの採用も特徴。SSケース。落札予想価格US$20,000~40,000。
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    菊野昌宏「ユニーク・ピンクゴールド トゥールビヨン腕時計」。2011年にシルバーとピンクゴールドの2本のトゥールビヨンを手作業で完成させた後、菊野氏の手元に残されていた貴重な一本。落札予想価格US$25,000~50,000。
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    Naoya Hida & Co. 「Type1D-2」。オークションに初お目見えとなる「Type1D-2」。YGケースの裏蓋に、落札者の注文による特別なエングレーブを入れることができる。落札予想価格US$35,000~60,000。
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    クロノトウキョウ「グランド“虹”」通常モデルと異なり18KYGケースを採用。虹色の漆ダイヤルは、これまでクロノトウキョウの漆ダイヤルを手掛けてきた島本恵未氏の手になるもの。落札予想価格US$9,000~18,000。
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マサズパスタイムに篠原氏を訪ねると、時計製作の動機をそう語ってくれた。菊野昌宏氏の仕事を雑誌で目にしたことにも刺激を受けた。ランゲアワード参加が決まって以降、菊野氏から直接指導を受けたことも大きな経験になったという。

21年にマサズパスタイムに就職。社長の中島正晴氏は、ランゲアワードに輝いた若手の腕を見込んでオリジナルモデルのプロジェクトを任せ、2年を費やし23年秋に「那由他モデルA/B」の2型が完成する。「アンティークの店ですから、長く使える時計というのが社長から与えられたルール。アンティーク懐中時計のバランスやニュアンスは残しながら、現代的な要素とのハイブリッドを目指しました。ケースサイズは38㎜ぐらいをルールにしました」

23年モデルはスモールセコンド仕様の「A」が605万円、2針の「B」が297万円。申し込み多数により、抽選によって両モデルで計8本が製作された。「TOKI(刻)」に出品されるのは「那由他モデルA」の特別バージョン。スターリングシルバー文字盤のセンターに繊細な花模様の彫金が施され、針の形状やコンポーネンツの仕上げも、通常モデルと異なっている。

すでに世界的な評価を得ている日本の独立時計師やマイクロメゾンに伍して、この若手に世界の目利きがどんな判断を下すのか注目したい。気鋭の時計師の才能に投資、支援したい向きは、ぜひオークションにご参加を。

まつあみ靖 まつあみ・やすし
1963年、島根県生まれ。87年、集英社入社。週刊プレイボーイ、PLAYBOY日本版編集部を経て、92年よりフリーに。時計、ファッション、音楽、インタビューなどの記事に携わる一方、音楽活動も展開中。著者に『ウォッチコンシェルジュ・メゾンガイド』(小学館)、『スーツが100ドルで売れる理由』(中経出版)ほか。

※『Nile’s NILE』2024年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「Nileport」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。