ブランパンは、メゾンを代表するダイバーズウォッチの誕生70周年を記念した「フィフティ ファゾムス テック ゴンベッサ」を発表。長時間潜水に対応するべく、3時間の計時が可能なセンター針を備える。グレード5チタンをより高純度に進化させ、耐食性や生態適合性を高めたグレード23チタンをケースに採用した。軽量かつ堅牢なエクストリームダイバー仕様となっている。
オメガは、75周年を迎えた「シーマスター」コレクションの全11モデルで共通の新色“サマーブルー”ダイヤルをラインアップ。防水性が高くなるにつれブルーが濃くなるという遊び心にあふれた趣向。この夏、ライトブルー系の文字盤が多くのブランドから登場してきたが、オメガはトレンドセッター的な役割を担ったと言えるかもしれない。
ハリー・ウィンストンからは、スポーツウォッチコレクション「HW& オーシャン」のデビュー25周年を祝う「HW オーシャン・デイト ムーンフェイズ オートマティック42mm」が登場。四半世紀前、ダイヤモンドウォッチを男性が着けることには、いささか抵抗感があったが、その文化の普及にハリー・ウィンストンが果たした役割は小さくないだろう。
ジャケ・ドローからは、驚愕のローリング・ストーンズとのコラボモデルが登場。これまでにもストーンズとのコラボウォッチは、他ブランドでいくつか存在していたが、かつてないラグジュアリーかつ手の込んだ仕様と言っていい。
スウォッチ グループには、長い歴史を持つブランドが数々所属している。周年と関連付けながら、その伝統的、技術的“資産”を生かしたウォッチメイキングは、やはりクリエーティブで刺激的と言う他ない。
まつあみ靖 まつあみ・やすし
1963年、島根県生まれ。87年、集英社入社。週刊プレイボーイ、PLAYBOY日本版編集部を経て、92年よりフリーに。時計、ファッション、音楽、インタビューなどの記事に携わる一方、音楽活動も展開中。著者に『ウォッチコンシェルジュ・メゾンガイド』(小学館)、『スーツが100ドルで売れる理由』(中経出版)ほか。
※『Nile’s NILE』2023年9月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています