セイコーウオッチ内藤昭男社長は、受賞コメントの中で「今回の受賞はグランドセイコーの時計づくりの新たな出発点であり、この先もグランドセイコーにしか描けない未来を築いてまいります」と、受賞の意義を強調した。川内谷氏もこう同意する。
「グランドセイコーがいままでやってこなかった領域のことをやっているので、当然新しいノウハウが必要でした。『Kodo』の製造・組み立ての中で、今後に生かせるような大きな収穫があったと思います。これみよがしな複雑機構には興味はなくて、時計の王道を攻めているところ、でもなにかオリジナルのひとひねりがしてあるようなものがつくれたらなとは思っていますね」
「Kodo」に続く未来に期待を抱かないではいられない。
まつあみ靖 まつあみ・やすし
1963年、島根県生まれ。87年、集英社入社。週刊プレイボーイ、PLAYBOY日本版編集部を経て、92年よりフリーに。時計、ファッション、音楽、インタビューなどの記事に携わる一方、音楽活動も展開中。著者に『ウォッチコンシェルジュ・メゾンガイド』(小学館)、『スーツが100ドルで売れる理由』(中経出版)ほか。