CAR

感情を揺さぶる走り

Photo TONY TANIUCHI Text Masayoshi Kinugasa
カーブを駆け抜ける
カーブを駆け抜ける心地よさを体感。ハードセッティングなサスペンションがコーナリングの楽しさを教えてくれる。

ぽっかりと予定が空いた初冬の平日は、神様からの贈り物。無駄にしては罰が当たる。ひとりきりの貴重な時間を満喫するなら、ドライブがいい。そんな日に最高の相棒となるのは、ツーシーターのスポーツカー、アルピーヌA110 S。普段、その鋭い爪を隠して行儀よく過ごしている愛車とともに、濃密な時間を過ごしに行こう。

横浜市内の自宅を出て、目指すは房総半島。海底を一直線に千葉まで貫く東京湾アクアラインは、コーナーもなくほぼ一定の回転数で走行する。ミッドシップエンジンが放つ低い唸うなり声のような呼吸をシート越しに感じながら、長いトンネルを出る瞬間の、光の中に飛び立つような感覚が、心地いいプロローグとなる。

アクアラインからそのまま首都圏中央連絡自動車道へと乗り継ぐ。この道路は、左右の視界が開けた高架式で、トンネルとは対照的に開放感がある。空を飛び続けているようで、心も解き放たれてゆく。

アルピーヌA110 S
1.8リットルの小型なエンジンながら、軽量なアルミボディーとターボの伸びやかな加速で、高速道路での疾走も快適。ついつい遠くまで足を延ばしたくなる。

アルピーヌA110 S
ボディー:全長4205╳全幅1800╳全高1250mm
エンジン:1.798リットル 直列4気筒DOHC16バルブターボ
最高出力:300PS/6300rpm
最大トルク:340Nm/2400rpm
駆動方式:MR
トランスミッション:7速AT
価格:9,390,000円

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。