ぽっかりと予定が空いた初冬の平日は、神様からの贈り物。無駄にしては罰が当たる。ひとりきりの貴重な時間を満喫するなら、ドライブがいい。そんな日に最高の相棒となるのは、ツーシーターのスポーツカー、アルピーヌA110 S。普段、その鋭い爪を隠して行儀よく過ごしている愛車とともに、濃密な時間を過ごしに行こう。
横浜市内の自宅を出て、目指すは房総半島。海底を一直線に千葉まで貫く東京湾アクアラインは、コーナーもなくほぼ一定の回転数で走行する。ミッドシップエンジンが放つ低い唸うなり声のような呼吸をシート越しに感じながら、長いトンネルを出る瞬間の、光の中に飛び立つような感覚が、心地いいプロローグとなる。
アクアラインからそのまま首都圏中央連絡自動車道へと乗り継ぐ。この道路は、左右の視界が開けた高架式で、トンネルとは対照的に開放感がある。空を飛び続けているようで、心も解き放たれてゆく。
アルピーヌA110 S
ボディー:全長4205╳全幅1800╳全高1250mm
エンジン:1.798リットル 直列4気筒DOHC16バルブターボ
最高出力:300PS/6300rpm
最大トルク:340Nm/2400rpm
駆動方式:MR
トランスミッション:7速AT
価格:9,390,000円