星のや沖縄が位置しているのは、那覇空港から北に車で1時間ほど走ったところにある読谷村(よみたんそん)だ。
イノーと呼ばれるサンゴ礁の海に、オカヤドカリの好物であるアダンの木が茂り、巨岩がダイナミックな風景を造る1kmの海岸線に沿って、全室オーシャンフロントの客室が立っている。手つかずのビーチは沖縄でも数が少なくなっているため、こうした本来の自然海岸を楽しめる場所は少ないという。
星のや沖縄のテーマは「グスクの居館」。沖縄には各地に中世の豪族たちが築いた城塞(じょうさい)とも聖域とも言われる石塁の遺跡「グスク」が残されている。
星のや沖縄はこれをモチーフにしたグスクウォールと呼ばれる壁に囲まれている。壁面には光を通す装飾が施され、日中には沖縄の強い日差しが影を作り、夜には内部の明かりが漏れて独特の風情を演出する。
まずはレセプションで圧倒的な非日常へ誘われる。南国らしい植物が育つ庭と海岸線約1kmに渡って続く広大な敷地では、他の宿泊客に会う機会は多くない。敷地にはガジュマルの並木道や、沖縄の植物をランダムに植えた色彩豊かな美しい庭が広がる。
緑の間に設けられた通路を抜け、どの部屋も海との距離が近い低層に建てられた客室へ。全室スイートで、海に突き出たテラスリビングのある「ハル」や、窓辺に掘りごたつ式の居間を備えた「フゥシ」などの客室タイプが用意されている。どのタイプでも、刻々と変化する、遮るもののない美しい海を独占することができる。