スイスとフランスの国境に広がる三日月形の美しきレマン湖。その湖畔にあるジュネーブで1839年に創業して以来、時計製作の伝統を受け継ぎ長い時を刻んできたのがパテック フィリップだ。
家族経営によるジュネーブ最古の独立したマニュファクチュールであり、ムーブメントと外装を全て自社で設計。スケッチから組み立て、アフターサービスまで、妥協なき最高のパフォーマンスを発揮し続け、孤高の道を歩み続けている。
このパテック フィリップの創作、遺産、哲学を余すことなく伝える「ウォッチアート・グランド・エキシビション 東京」が、一般公開・入場無料で、6月10日〜25日までの16日間、東京・新宿の住友三角広場で開催されている。

(右)Queen Victoria’s Pendant Watch世界初の万博博覧会開催と同年の11月にヴィクトリア女王が購入したと記録されているペンダントウォッチ。左のラピスブルーのペンダントウォッチと同じく裏蓋はスカイブルーの美しい七宝で彩られ、中央にはローズカットのダイヤモンドがちりばめられている。
今回のエキシビションは、2012年のドバイに始まり、13年のミュンヘン、15年のロンドン、17年のニューヨーク、19年のシンガポールに続く6回目。回を重ねるごとに規模が拡大し、これまでの合計来場者数は16万5000人にまで上る。
東京では2500㎡を超える広大な会場を10のテーマやエリアに分け、ジュネーブのローヌ通りにあるパテック フィリップ・サロンや、本社5階にあるナポレオン・ルームを再現。メゾンの歴史や世界に没入しながら、約500点のタイムピースやオブジェを堪能できる。そのなかには開催国のユーザーのみが購入できる、ファン垂涎(すいぜん)のリミテッドエディションも含まれているという。

(右)First Repeating Wristwatch1916年に製作されたパテック フィリップ初の5分リピーター搭載婦人用腕時計は、ヴィクトラン・ピゲのエボーシュをベースにした二つのゴングを搭載。プラチナケースと一体型のリンクブレスレットが特徴的だ。