偉大なるウォッチアートの世界

6月10日から25日までの16日間、東京・新宿で開催される「パテック フィリップ・ウォッチアート・グランド・エキシビション 東京」。約500点のタイムピースとオブジェが展示され、リミテッドエディションも発表される。ジュネーブの伝統を受け継ぐ後継者として、脈々と紡がれてきた時計製作への情熱と舞台裏を存分に体感したい。

Text Rie Nakajima

6月10日から25日までの16日間、東京・新宿で開催される「パテック フィリップ・ウォッチアート・グランド・エキシビション 東京」。約500点のタイムピースとオブジェが展示され、リミテッドエディションも発表される。ジュネーブの伝統を受け継ぐ後継者として、脈々と紡がれてきた時計製作への情熱と舞台裏を存分に体感したい。

  • パテック フィリップ 2015年ロンドンパテック フィリップ 2015年ロンドン
    2015年にロンドンのサーチ・ギャラリーで開催されたウォッチアート・グランド・エキシビション。12日間で合計4万2500人以上の入場者が来場した。
  • パテック フィリップ 2017年ニューヨークパテック フィリップ 2017年ニューヨーク
    2017年のニューヨークは42番街にあるチプリアーニが会場。新作を含む9点の限定製作モデルおよび希少なハンドクラフトタイムピース17点が発表された。
  • パテック フィリップ 2017年シンガポールパテック フィリップ 2017年シンガポール
    前回の開催は2019年のシンガポール。16日間にわたる開催期間を通じ、来場者数は過去最高を記録。東南アジア地域に特化したコレクションを展示する特別ルームも設けられた。
  • パテック フィリップ 2015年ロンドン
  • パテック フィリップ 2017年ニューヨーク
  • パテック フィリップ 2017年シンガポール

スイスとフランスの国境に広がる三日月形の美しきレマン湖。その湖畔にあるジュネーブで1839年に創業して以来、時計製作の伝統を受け継ぎ長い時を刻んできたのがパテック フィリップだ。
家族経営によるジュネーブ最古の独立したマニュファクチュールであり、ムーブメントと外装を全て自社で設計。スケッチから組み立て、アフターサービスまで、妥協なき最高のパフォーマンスを発揮し続け、孤高の道を歩み続けている。

このパテック フィリップの創作、遺産、哲学を余すことなく伝える「ウォッチアート・グランド・エキシビション 東京」が、一般公開・入場無料で、6月10日〜25日までの16日間、東京・新宿の住友三角広場で開催されている。

パテック フィリップ Queen Victoria’s Pendant Watch
(左)Queen Victoria’s Pendant Watch1851年、ロンドンで開催された世界初の万国博覧会でヴィクトリア女王に献上したとされるペンダントウォッチ。フランスで特許を取得したリュウズ巻き上げ・時刻合わせ機構が採用され、中蓋には「INVENTION BRÉVETÉE(特許発明)」という文字が刻まれている。
(右)Queen Victoria’s Pendant Watch世界初の万博博覧会開催と同年の11月にヴィクトリア女王が購入したと記録されているペンダントウォッチ。左のラピスブルーのペンダントウォッチと同じく裏蓋はスカイブルーの美しい七宝で彩られ、中央にはローズカットのダイヤモンドがちりばめられている。

今回のエキシビションは、2012年のドバイに始まり、13年のミュンヘン、15年のロンドン、17年のニューヨーク、19年のシンガポールに続く6回目。回を重ねるごとに規模が拡大し、これまでの合計来場者数は16万5000人にまで上る。

東京では2500㎡を超える広大な会場を10のテーマやエリアに分け、ジュネーブのローヌ通りにあるパテック フィリップ・サロンや、本社5階にあるナポレオン・ルームを再現。メゾンの歴史や世界に没入しながら、約500点のタイムピースやオブジェを堪能できる。そのなかには開催国のユーザーのみが購入できる、ファン垂涎(すいぜん)のリミテッドエディションも含まれているという。

パテック フィリップ(左)First Swiss Wristwatch(右)First Repeating Wristwatch
(左)First Swiss Wristwatch スイス初、またパテック フィリップ初の“腕時計”。シークレット・ウォッチタイプで、カバーとケース上面に黒の七宝を施し、金細工で縁取られたローズカットのダイヤモンドをセット。
(右)First Repeating Wristwatch1916年に製作されたパテック フィリップ初の5分リピーター搭載婦人用腕時計は、ヴィクトラン・ピゲのエボーシュをベースにした二つのゴングを搭載。プラチナケースと一体型のリンクブレスレットが特徴的だ。
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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。