そんな「カンパノラ」を展開するシチズン時計は、2012年にラ・ショー・ド・フォンにあるハイエンドムーブメントサプライヤー、ラ・ジュー・ペレ社をグループ傘下に収め、同社製キャリバーを搭載したメカニカル コレクションのほか、技術提携によるさまざまなシナジー効果を生んできた。
この「天」と「地」では、ラ・ジュー・ペレ社製のフライングトゥールビヨンを初めて採用した。テンプ位置を偏心させた独自の設計で、通常のトゥールビヨンよりもダイナミックな軌道を特徴とする。
6時位置にのぞくキャリッジのセンターには、カンパノラ・ベルのロゴがシンボリックに配置されている。実は、このカンパノラ・ベルの重さを考慮し、正確かつ精緻な動きを担保するために、さまざまな技術的知見が投入されている。
文字板は、これまでにも「カンパノラ」の特別な文字板製作に携わってきた会津漆の伝統工芸士、儀同哲夫氏の手による。「天」では、螺鈿細工で大小の星々を描き、さらにプラチナ粉を蒔いて研ぎ出す技法で星雲を加え、全体をブルーの透き漆で覆い、無限の宇宙空間を表現した。「地」では、乾漆粉で荒らした生地に金を蒔いて研ぎ出し、悠久の大地を表現した。日本の伝統工芸の粋と、スイス伝統の複雑機構の究極とが一つに融け合い、至高の傑作が誕生した。
「カンパノラ」がテーマに掲げる「時を愉しむ」とは、どういう意味合いなのか? その答えを、「グランドコンプリケーション20周年記念限定モデル」、そして「天」と「地」を通して受け取って欲しい。
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