複雑さと匠の技が織りなす“時の愉しみ”

「時を愉しむ」をテーマに掲げるウォッチブランド「カンパノラ」。その中でも中軸的な存在である「グランドコンプリケーション」が、デビュー20周年を迎え、記念の2モデルが発表された。

Photo Takehiro Hiramatsu(digni)  Text Yasushi Matsuami

「時を愉しむ」をテーマに掲げるウォッチブランド「カンパノラ」。その中でも中軸的な存在である「グランドコンプリケーション」が、デビュー20周年を迎え、記念の2モデルが発表された。

カンパノラ/グランドコンプリケーション20周年記念限定モデル 皨⾬(ほしのあめ)AH4086-05E
カンパノラ/グランドコンプリケーション20周年記念限定モデル 皨⾬(ほしのあめ)AH4086-05E
クオーツ、ケース径43mm、SSケース×ワニ革(LWG認証※)ストラップ、日常生活防水、限定120本、特定店限定モデル、517,000円。

※LWG(レザーワーキンググループ)とは、レザーに関わるブランド、タンナー、薬剤メーカーの3者で構成される国際団体。環境への配慮や製造工程における安全性などを評価し、厳格な審査をクリアしたタンナーには認証が付与される。

両モデルの文字板は、一点ずつ職人の手作業で仕上げられ、一つとして同じ表情のものがない。自分だけの逸品を手にする感覚もまた贅沢だ。ゴールドカラーにマット仕上げを施した時分針、そしてゴールドカラーにヘアライン仕上げを施した五徳リングを備え、立体的な奥行きを感じさせながら、視認性もしっかりと確保されている。それぞれ文字板色に合わせた、ワニ革ベルトがセットされた。

この「グランドコンプリケーション」を手にしたなら、やはりミニッツリピーターの音色に耳を傾けてみたい。クオーツゆえに電子音ではありながら、残響音を伴う自然なチャイムの音色にこだわった。20周年の集大成というべきクオリティーを、その音色から、文字板から、外装・仕上げや多彩な機能から、味わいたい。

「カンパノラ」が掲げる「時を愉しむ」というテーマを究極まで追求したモデルにも触れておきたい。「カンパノラ」初となる手巻きトゥールビヨンを搭載した「天」と「地」の2モデルがそれである。22年6月に各限定5本で発表され、以降愛好家からの熱い視線を浴び続けている。

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。