トゥールビヨンが魅せる美の進化
トゥールビヨンの発明から2世紀余りが経過した。一時は技術継承の危機にあったが、機械式時計復興期の1980~90年代に息を吹き返し、腕時計に搭載され始める。当時はこの複雑機構を製作できるだけで称賛の対象となったが、今、+αの価値が求められている。そんなニーズに応えて各メゾンが競って生み出す新機軸トゥールビヨンが刺激的だ。
PARMIGIANI FLEURIER
控えめな上品さが好評の「トンダ PF」コレクションのトゥールビヨンモデル。一体型ケース&ブレスレット、さらにサンドブラスト仕上げのダイヤルやマイクロローターもプラチナ製。ケース厚はわずかに8.6mm。手仕上げのローレット装飾ベゼルや7時位置にオフセットされたトゥールビヨンもエスプリを感じさせる。
●パルミジャーニ・フルリエ
pfd.japan@parmigiani.com
HUBLOT
サファイアケースの進化をリードするウブロが、九つ目の新色で、時計業界初のパープルカラーを発表。酸化アルミニウムとクロムの複合素材を用いて、この色調を実現。このケースに自社製スケルトン・トゥールビヨンを搭載し、透明な世界観を強調した。
●ウブロ/ LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ
TEL 03-5635-7055
H. MOSER & CIE.
MB&Fとのコラボレーションにより2020年に誕生した、3D感あふれるシリンドリカル・トゥールビヨンにアレンジを加え、スケルトナイズした新作。メゾンのシグネチャーであるファンキーブルーのフュメダイヤルには、輝度の高い蓄光素材グロボライトのインデックスが採用されている。
●エグゼス
TEL 03-6274-6120
CHANEL
シャネル初となる自社製フライングトゥールビヨンCal. 5を搭載。トゥールビヨンのセンターに0.18ctの一粒ダイヤモンドを、キャリッジ、リューズ、時分針、そしてWG製ベゼルにもダイヤモンドをセットした。ブラックのマスキュリンさとダイヤモンドの競演が魅力的だ。
●シャネル(シャネル カスタマーケア)
TEL 0120-525-519
FRANCK MULLER
創業30周年を迎えたフランク ミュラーは、アイコン的なトノウカーベックス ケースのアップデートを進めてきた。昨年、文字盤中央にトゥールビヨンを配した自社設計キャリバーを、ベゼルをなくし、サファイアクリスタルでカバーする面積を広げるなどしたこのケースに初搭載したが、今年はPG仕様のニューバージョンが追加された。
●フランク ミュラー ウォッチランド東京
TEL 03-3549-1949
AUDEMARS PIGUET
ラグジュアリースポーツウォッチのオリジネーター「ロイヤル オーク」の50周年を記念し、革新的な研究開発の成果の3作目となる、ケース厚8.1mmの超薄型トゥールビヨンが登場。設計を根本的に見直しサイズダウンを実現。製作に手間暇がかかり、目下入手困難。
●オーデマ ピゲ ジャパン
TEL 03-6830-0000
GRAND SEIKO
ウォッチズ&ワンダーズに初出展したグランドセイコーの“目玉”と言うべき一本。トルクを一定に保つコンスタントフォースとトゥールビヨンを、6時位置の同軸上に統合した世界初の複雑機構キャリバー9ST1を搭載。日本ならではの美意識や、時を刻む音にもこだわった。
●セイコーウオッチ お客様相談室
TEL 0120-061-012