腕時計愛好家から常に注目を集め、期待を超えるモデルでそれに応えてきたA.ランゲ&ゾーネ。「ツァイトヴェルク」は、中でも特別な位置を占める存在だ。機械式デジタル表示という独創的な機構の初代モデルの登場は2009年。9時位置の時表示と3時位置の分表示の計3枚のディスク全てが“瞬転式”。これを実現させた高度な技術力と独創的な意匠とが相まって、「ツァイトヴェルク」はランゲの“顔”の一つとなっていく。
以降10年余りの中で、さまざまな進化を見せてきたが、今回の新作も刮目に値する。まずハニーゴールドケースが採用された点。ランゲのために開発され、専用使用権を有するこの18K素材は、名前の通りハチミツを思わせる柔らかくエレガントな光沢を特徴とする。特殊な素材配合と熱処理により、一般的な18K素材よりも硬度が高く、傷つきにくいメリットも備えている。
2010年に初採用されて以降、ハイクラスの特別なモデルにのみ使用されてきた。“ルーメン”エディションであることもポイントだ。半透明ダイヤルから複雑機構がのぞけることに加え、ディスク上の数字には蓄光顔料が施され、暗がりでの視認性を確保しただけでなく、それらが半透明ダイヤルを通して神秘的な表情を見せる。この“ルーメン”エディションもごく限られたモデルでしか製作されておらず、愛好家垂涎の的となってきた。
ツァイトヴェルク、ハニーゴールド、ルーメン。象徴的な3要素の奇跡的な競演を味わい尽くしたい。
●A.ランゲ&ゾーネ
TEL0120-23-1845
※『Nile’s NILE』2021年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています