ランゲの神髄に酔いしれる

あまりにも精緻、あまりにも複雑、あまりにもパーフェクト―ドイツ・ザクセンの時計製造の歴史を受け継ぎ、さらなる高みを求め続けるウォッチブランド、A.ランゲ&ゾーネ。息をのむような数々の傑作コンプリケーションの存在は知っていても、実際手にすることはおろか、目にする機会さえ極めて限られている。

Photo Takehiro Hiramatsu(digni) Text Yasushi Matsuami

あまりにも精緻、あまりにも複雑、あまりにもパーフェクト―ドイツ・ザクセンの時計製造の歴史を受け継ぎ、さらなる高みを求め続けるウォッチブランド、A.ランゲ&ゾーネ。息をのむような数々の傑作コンプリケーションの存在は知っていても、実際手にすることはおろか、目にする機会さえ極めて限られている。

ツァイトヴェルク・デイト
独創的な瞬転数字ディスクによるデジタル時刻表示モデルをベースに、新開発ムーブメントによって瞬転式デイト表示を加えた。4時位置に時表示調整用ボタン、8時位置に日付調整ボタンを装備。「ツァイトヴェルク・デイト」手巻き、ケース径44.2mm、WGケース×アリゲーターストラップ、11,968,000円。

A.ランゲ&ゾーネらしさとは何か? フラッグシップというべき「ランゲ1」のオフセットされたダイヤルや、アウトサイズデイトを思い浮かべる人も少なくないだろう。確かにそれもランゲを象徴する一つだが、他の追随を許さない完成度や細部へのこだわり、また高い技術力の結晶というべきコンプリケーションの数々もまた、ランゲの真骨頂というべきだろう。

例えば「ツァイトヴェルク」。機械式デジタル時刻表示という、他にない機構と表情を特徴とするモデルである。驚くべきは、9時位置の時表示ディスクも、3時位置の分表示ディスクも、全てが“瞬転式”ということだ。60秒、10分、60分が経過するまさにその瞬間、それぞれのディスクが正確無比に切り替わる。これを実現するためには、輪列構成や歯車の精度をブラッシュアップし、動力供給システムやバランスなどを徹底的に調整しなくてはならない。

ここに紹介している「ツァイトヴェルク・デイト」は、初代モデルから10周年を祝し、文字盤外周にリング状のデイト表示を加え、2019年に発表された。深夜0時を迎える瞬間、日付が1日送られるのは言うまでもない。最大4枚のディスクを同時かつ瞬時に動かすという困難に挑戦する姿勢もランゲらしい。

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。