ダイヤモンドと時間の競演

1995年の創立以来、ハイパーウォッチの可能性を追求し続けてきたロジェ・デュブイ。伝統性を重んじた高い技術力と、クリエーティブで刺激的なデザイン性を融合させ、常にウォッチシーンの最先端を走ってきた。

Text Yasushi Matsuami

1995年の創立以来、ハイパーウォッチの可能性を追求し続けてきたロジェ・デュブイ。伝統性を重んじた高い技術力と、クリエーティブで刺激的なデザイン性を融合させ、常にウォッチシーンの最先端を走ってきた。

エクスカリバーシングルフライング トゥールビヨン
ベゼル、ラグからフランジに至るまで、バゲットカットダイヤモンドで埋め尽くしたシグネチャータイムピース。パワーリザーブを72時間に向上させた新しいシングルトゥールビヨンキャリバーを搭載。「エクスカリバーシングルフライング トゥールビヨン」手巻き、ケース径42㎜、WGケース×3Dカーフレザーストラップ、世界限定28本、50,380,000円。

創立以来、約四半世紀という時間の中で、これほど存在感を示すまでに進化を遂げたウォッチブランドが、ロジェ・デュブイ以外にあるだろうか? 

1995年、パテック フィリップの複雑時計部門責任者などの輝かしいキャリアを持ち、多くの時計師たちからリスペクトを浴びる存在だった故ロジェ・デュブイ氏が自身の名を冠してスタート。当初からジュネーブの伝統を重んじるスタンスを掲げ、ほぼ全てのモデルがジュネーブ・シールを取得するという偉業を成し遂げてきた。

ジュネーブ・シールとは、ジュネーブ伝統の時計製造方法や審美的な要件を12項目にわたって厳密に規定し、これをクリアしたものにジュネーブ州が与える品質認証である。スイスには、時計の品質認証規格がいくつかあるが、その中でも最も重要かつ信頼に値するものと言って差し支えない。

これをほぼ全モデルで取得することは驚嘆以外のなにものでもない。複雑さを極めたダブルトゥールビヨンを始め、創立以来30以上もの自社製キャリバーを開発してきたことも特筆に価する。

こうした伝統性や技術力の一方、ロジェ・デュブイは、アーティスティックでアバンギャルドなデザインでも、他を圧倒した。それまでのジュネーブ・シール取得モデルは、クラシックな印象のものが大半だったが、その先入観を打ち破る先進的でクリエーティブなモデルを次々と発表し、ハイエンドウォッチの新たな潮流をリードした。

現在は、アストラルモチーフを採用したスケルトン機構が印象的な「エクスカリバー」を柱に、ランボルギーニやタイヤメーカーのピレリとコラボしたモータースポーツマインドあふれるダイナミックなモデル、また女性を意識した「ベルベット」などのコレクションを展開。そして、近年注力しているのが、ダイヤモンドジュエリータイムピースである。

エクスカリバー スパイダー アルティメイトカーボン
超軽量で極めて強靭なカーボンコンポジット素材のケースとブレスレット、そしてアストラルモチーフやスケルトン フライング トゥールビヨンのアッパーキャリッジにまで、バゲットカットダイヤモンドをセット。「エクスカリバー スパイダー アルティメイトカーボン」手巻き、ケース径45mm、カーボンケース×カーボンブレスレット、世界限定8本、73,700,000円。

究極まで肉抜きしたトゥールビヨンキャリバーと、バゲット&ブリリアントカットのダイヤモンドが贅沢なハーモニーを奏でるモデル、カーボン素材にダイヤモンドを大胆に組み合わせたモデル、またゴールドケースとダイヤモンド、さらにエナメル七宝のシューティングスター装飾の競演が魅力的なモデルなどが、ため息を誘う。

エレガントでプレステージ感にあふれるのは言わずもがな。ハイパーオロロジーの可能性を追求するロジェ・デュブイのクリエーティブで刺激的なテイストが、アドレナリンを噴出させる。

●ロジェ・デュブイ
TEL 0120-151-995

※『Nile’s NILE』2021年9月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。