ドラマチック・マカオ

マカオ グランド・リスボア、半世紀にわたるルーツとその魅力を探る。

Photo ©MGTO and Others Text koko shinoda Many thanks to Grand Lisboa

マカオ グランド・リスボア、半世紀にわたるルーツとその魅力を探る。

マカオ半島の先端にあるポウサダ(ポルトガル風のホテル)のテラスを覆う菩提樹の下で、ポルトガル・ワインを飲みながら、南シナ海に沈む夕日を眺めた。金色にまったりと広がる海の彼方に島影が望めた。マカオが半島と2つの島から成っていた頃のことだ。
が、21世紀初頭に半島の南側が埋め立てられ、島を結ぶ3本の橋がかかり、2つの島は間を埋め立てたコタイが生まれた。半島をふさぐ大きさとなった島は、目を奪う大型IRが集まる不夜城となった。

巨大なカジノはもちろん、ホテル、レストラン、モール、シアターなどを備えたメガ・リゾートはそれぞれユニークなデザインと趣向を凝らし、大人も子供も楽しめるディズニーランドのような世界を築きあげた。そして、現在も開発が目白押しで続いている。

IRはコタイだけでなく、半島側にも幾つか開業し、近未来的なスカイラインを描いている。その基盤に地元の中国風の街並みがあり、ポルトガルが忘れていった佇まいが随所に残されている。そうした対象がなすゆえだろうか、街角で見かけるクラシックなモチーフのアズレージョ(ポルトガルのタイル画)は、ことのほか鮮やかに映る。

  • 起伏の激しい石畳の坂道、瀟洒な鉄細工を施した家々のヴェランダ 起伏の激しい石畳の坂道、瀟洒な鉄細工を施した家々のヴェランダ
  • 噴水のある小さな広場やパステル・カラーの教会 噴水のある小さな広場やパステル・カラーの教会
  • ユネスコ世界遺産になっている街並み ユネスコ世界遺産になっている街並み
  • 起伏の激しい石畳の坂道、瀟洒な鉄細工を施した家々のヴェランダ
  • 噴水のある小さな広場やパステル・カラーの教会
  • ユネスコ世界遺産になっている街並み
1 2 3
ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。