ドラマチック・マカオ

マカオ グランド・リスボア、半世紀にわたるルーツとその魅力を探る。

Photo ©MGTO and Others Text koko shinoda Many thanks to Grand Lisboa

マカオ グランド・リスボア、半世紀にわたるルーツとその魅力を探る。

グランド・リスボア

グランド・リスボアは南湾湖に面した半島の中心部、バスなど交通の集まる所にある。アズレージョにポルトガルで語で記された通りを人波に乗って歩いてゆくと、自然に行き着く。というよりも、ハスの花をモチーフにした金色に輝く260mの高層建築はどこからも一目瞭然だ。

創業者、スタンレー・ホー氏の銅像

低層部にカジノがあり、広大なロビーには国宝級の芸術品や財宝が飾られている。全ては創業者、スタンレー・ホー氏のコレクションだ(彼の銅像もホテルの至るところに)。今年98歳となるホー氏は隣接するリスボア・ホテルを半世紀前に開業した、マカオのIRの先駆者といえる。

香港のユダヤ系名門に生まれ、商才を生かして戦前は日本の組織とも組み、やがてマカオのカジノ事業を立ち上げた。香港とマカオを結ぶフェリーやヘリを運行したことが、成功の鍵となった(現在も一族の経営だ)。

さまざまな逸話を持つ人物で、複数の妻(当時中国では合法だった)のもとで多くの親族がおり、ブルース・リーも遠縁であったとか。21世紀に入りカジノもフェリーも独占事業ではなくなったが、ホー氏は昨年97歳まで、現役として商都マカオに君臨していた。

陽光に聳えるグラン・リスボアがマカオの町に落とす光と影は、ホー氏自身のドラマそのものともいえる。

※『Nile’s NILE』2019年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています

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ラグジュアリーとは何か?

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