そんなベルターニのこだわりが最も感じられるのが「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ」。惜しむことなく手間ひまをかけたその手法には脱帽させられる。まずはヴァルポリチェッラ・クラッシコ地区のノーヴァレ農園で栽培された2品種の葡萄を、良質な果実のみ厳選して収穫。傷がついていると陰干し中の腐敗の原因になるため、細心の注意が必要だ。
収穫した葡萄は竹製すのこの上に並べ、約4カ月もの間、屋根裏部屋で陰干しする。除湿器は使わず窓の開閉と扇風機みで湿度を調整し、毎日不良果実を取り除く作業を重ねることで、自然な陰干しでしか得られない香りや味わいを引き出しているのだ。乾燥した葡萄は重量が減り一本のために通常の赤ワインの3倍の量を要するというから、それだけでアマローネの価値を強く感じる。
陰干し後、葡萄はさらに選別され、ガラスコーティングされたセメントタンク内で40日以上かけて発酵。オーク大樽に移し、規定が2年のところ6年もの期間をかけて熟成させる。さらに1年以上の瓶内熟成を経て、ついにリリース。収穫から数えて約3000日もの歳月を要するが、この手法でこそ同社ならではの上品で繊細な味わいのアマローネが生み出される。また、長期熟成能力の高さも魅力の一つ。手間を惜しまず造られているからこそ、古いヴィンテージでも澱がほとんどなく、最後の一滴まで飲むことができるという。
ほかでは決して味わえないアマローネを、一度は口にしたいものだ。
●モンテ物産
TEL 0120-348-566
www.montebussan.co.jp/wine/bertani
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