伝統のDNAに秘めたポテンシャル

4月にジュネーブで開催された新作ウォッチエキシビションWatches and Wonders 2024で発表されたIWCの新作を紹介する。IWCは、毎年1コレクションに焦点を当て、リニューアルモデルや新作を発表しているが、今年の主役は「ポルトギーゼ」。歴史ある人気コレクションが、機能面でも、意匠面でも目覚ましい進化を見せてきた。

Photo   Text Yasushi Matsuami

4月にジュネーブで開催された新作ウォッチエキシビションWatches and Wonders 2024で発表されたIWCの新作を紹介する。IWCは、毎年1コレクションに焦点を当て、リニューアルモデルや新作を発表しているが、今年の主役は「ポルトギーゼ」。歴史ある人気コレクションが、機能面でも、意匠面でも目覚ましい進化を見せてきた。

44㎜ケースのパーペチュアル・カレンダー、41㎜ケースのクロノグラフ、40㎜と42㎜のオートマティックが、カラーごとに用意されており、各モデルとも表裏両面にボックス型サファイアクリスタルを採用。従来よりもサファイアがワイドにカバーすることで文字盤やムーブメントの美しさが一層引き立っている。それでいてスリムに見えるよう、ケースがリデザインされている点も見逃せない。

機構面の話題も豊富だ。「ポルトギーゼ・ハンドワインド・トゥールビヨン・デイ&ナイト」では、フライング・ミニッツ・トゥールビヨンを6時位置に、ゴールドとブラックに色分けした地球を模した球体のデイ&ナイト表示を9時位置に搭載。オブシディアンブラック文字盤に、複雑機構によるポエティックな表現がもたらされた。

そして今回のハイライトと言うべきが「ポルトギーゼ・エターナル・カレンダー」だろう。閏(うるう)年の2月末の日付も自動調節するパーペチュアル・カレンダーは、IWCのお家芸と言うべき複雑機構。このエターナル・カレンダーは、パーペチュアル・カレンダーを究極の高みに押し上げるものだ。グレゴリオ暦では、誤差修正のために100で割り切れる年は閏年ではなく平年としながら、400で割り切れる年は閏年とするという規定がある。例えば2100年、2200年、2300年は平年だが、2400年は閏年となる。これに対応するべく、400年周期で1回転する歯車を開発し、常に正確な日付表示を可能にしたのだ。“永遠”というものに際会する経験は稀だが、高度な技術により実現された、永遠に続く時のロマンを、この時計で堪能できる。

いずれの新作も「ポルトギーゼ」のDNAに秘められたポテンシャルの高さを遺憾なく伝えている。

●IWC
TEL 0120-05-1868

※『Nile’s NILE』2024年7月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

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ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。