44㎜ケースのパーペチュアル・カレンダー、41㎜ケースのクロノグラフ、40㎜と42㎜のオートマティックが、カラーごとに用意されており、各モデルとも表裏両面にボックス型サファイアクリスタルを採用。従来よりもサファイアがワイドにカバーすることで文字盤やムーブメントの美しさが一層引き立っている。それでいてスリムに見えるよう、ケースがリデザインされている点も見逃せない。
機構面の話題も豊富だ。「ポルトギーゼ・ハンドワインド・トゥールビヨン・デイ&ナイト」では、フライング・ミニッツ・トゥールビヨンを6時位置に、ゴールドとブラックに色分けした地球を模した球体のデイ&ナイト表示を9時位置に搭載。オブシディアンブラック文字盤に、複雑機構によるポエティックな表現がもたらされた。
そして今回のハイライトと言うべきが「ポルトギーゼ・エターナル・カレンダー」だろう。閏(うるう)年の2月末の日付も自動調節するパーペチュアル・カレンダーは、IWCのお家芸と言うべき複雑機構。このエターナル・カレンダーは、パーペチュアル・カレンダーを究極の高みに押し上げるものだ。グレゴリオ暦では、誤差修正のために100で割り切れる年は閏年ではなく平年としながら、400で割り切れる年は閏年とするという規定がある。例えば2100年、2200年、2300年は平年だが、2400年は閏年となる。これに対応するべく、400年周期で1回転する歯車を開発し、常に正確な日付表示を可能にしたのだ。“永遠”というものに際会する経験は稀だが、高度な技術により実現された、永遠に続く時のロマンを、この時計で堪能できる。
いずれの新作も「ポルトギーゼ」のDNAに秘められたポテンシャルの高さを遺憾なく伝えている。
●IWC
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※『Nile’s NILE』2024年7月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています