「ポルトギーゼ」は、IWCを象徴するコレクションとして、つとに知られた存在だ。1938年に二人のポルトガル人時計商からの依頼で誕生した、高精度でビッグサイズの腕時計をルーツとし、90年代の復活以降もアラビア数字のインデックス、リーフ型の時分針、レイルウェイ・ミニッツトラック、スリムなベゼルなど伝統的なデザインコードを踏襲しつつ、進化を見せてきた。
今年まず目を引いたのは、色の新展開だ。IWCが本社を構えるスイス・シャフハウゼンの地から望む1日の空の色の変化にインスパイアされた4色が文字盤を彩った。昼間の澄み渡ったブルースカイをイメージしたのが「ホライゾンブルー」。「ポルトギーゼ」の新たな表情を引き出すサプライズ感がありながら、シックでエレガント。夕暮れ時の空を表現したのは「デューン」という色調。淡いアンバー系のカラーが、どこかノスタルジックな美しさを奏でている。漆黒の夜空は「オブシディアン」という複雑なニュアンスのブラックカラーで、夜空に浮かぶ月をイメージソースとするシルバーカラーは「シルバームーン」で表現された。いずれの文字盤も、真鍮(しんちゅう)ベースにサンバースト、またはブラスト仕上げを施したうえで、15層のラッカーを塗布後に研磨し、ハイグロス仕上げされている。
伝統のDNAに秘めたポテンシャル
4月にジュネーブで開催された新作ウォッチエキシビションWatches and Wonders 2024で発表されたIWCの新作を紹介する。IWCは、毎年1コレクションに焦点を当て、リニューアルモデルや新作を発表しているが、今年の主役は「ポルトギーゼ」。歴史ある人気コレクションが、機能面でも、意匠面でも目覚ましい進化を見せてきた。
4月にジュネーブで開催された新作ウォッチエキシビションWatches and Wonders 2024で発表されたIWCの新作を紹介する。IWCは、毎年1コレクションに焦点を当て、リニューアルモデルや新作を発表しているが、今年の主役は「ポルトギーゼ」。歴史ある人気コレクションが、機能面でも、意匠面でも目覚ましい進化を見せてきた。
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