伝統のDNAに秘めたポテンシャル

4月にジュネーブで開催された新作ウォッチエキシビションWatches and Wonders 2024で発表されたIWCの新作を紹介する。IWCは、毎年1コレクションに焦点を当て、リニューアルモデルや新作を発表しているが、今年の主役は「ポルトギーゼ」。歴史ある人気コレクションが、機能面でも、意匠面でも目覚ましい進化を見せてきた。

Photo   Text Yasushi Matsuami

4月にジュネーブで開催された新作ウォッチエキシビションWatches and Wonders 2024で発表されたIWCの新作を紹介する。IWCは、毎年1コレクションに焦点を当て、リニューアルモデルや新作を発表しているが、今年の主役は「ポルトギーゼ」。歴史ある人気コレクションが、機能面でも、意匠面でも目覚ましい進化を見せてきた。

伝統のDNAに秘めたポテンシャル、IWC
4時半位置にのぞく400年で1回転する歯車により、一般的なパーペチュアル・カレンダーをしのぐ、永久に正確な日付を表示可能なエターナル・カレンダー機能を搭載。ムーンフェイズは4500万年に1日の誤差しか生じない驚異の高精度を誇る。ホワイトラッカー仕上げのガラス製文字盤と、ガラス製インダイヤルによる立体感も目を引く。「ポルトギーゼ・エター
ナル・カレンダー Ref.IW505701」自動巻き、ケース径44.4㎜、PTケース×アリゲーターストラップ、5気圧防水、価格要問い合わせ。

「ポルトギーゼ」は、IWCを象徴するコレクションとして、つとに知られた存在だ。1938年に二人のポルトガル人時計商からの依頼で誕生した、高精度でビッグサイズの腕時計をルーツとし、90年代の復活以降もアラビア数字のインデックス、リーフ型の時分針、レイルウェイ・ミニッツトラック、スリムなベゼルなど伝統的なデザインコードを踏襲しつつ、進化を見せてきた。

今年まず目を引いたのは、色の新展開だ。IWCが本社を構えるスイス・シャフハウゼンの地から望む1日の空の色の変化にインスパイアされた4色が文字盤を彩った。昼間の澄み渡ったブルースカイをイメージしたのが「ホライゾンブルー」。「ポルトギーゼ」の新たな表情を引き出すサプライズ感がありながら、シックでエレガント。夕暮れ時の空を表現したのは「デューン」という色調。淡いアンバー系のカラーが、どこかノスタルジックな美しさを奏でている。漆黒の夜空は「オブシディアン」という複雑なニュアンスのブラックカラーで、夜空に浮かぶ月をイメージソースとするシルバーカラーは「シルバームーン」で表現された。いずれの文字盤も、真鍮(しんちゅう)ベースにサンバースト、またはブラスト仕上げを施したうえで、15層のラッカーを塗布後に研磨し、ハイグロス仕上げされている。

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    澄み渡る昼間のブルースカイを思わせるホライゾンブルーのダイヤルが、新鮮な印象を放つ。「ポルトギーゼ・クロノグラフ Ref.IW371626」自動巻き、ケース径41.0㎜、WGケース×カーフスキンストラップ、3気圧防水、2,959,000円。
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    夜空に輝く月をイメージし、60もの工程から生まれたシルバームーンダイヤルを採用。「ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー44 Ref.IW503701」自動巻き、ケース径44.4㎜、アーマーゴールドケース×アリゲーターストラップ、5気圧防水、6,930,000円。
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    漆黒の夜空を着想源とするオブシディアンダイヤルとレッドゴールドとの組み合わせがプレステージ感を醸し出す一本。「ポルトギーゼ・オートマティック40 Ref.IW358401」自動巻き、ケース径40.4㎜、RGケース×アリゲーターストラップ、5気圧防水、2,728,000円。
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    夕暮れ時の空の色にインスパイアされたデューンカラーのダイヤルを採用。インデックスと針もゴールドカラーで統一。「ポルトギーゼ・クロノグラフ Ref.IW371624」自動巻き、ケース径41.0㎜、SSケース×アリゲーターストラップ、3気圧防水、1,237,500円。
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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。