甘さとろける新感覚・桃のピッツァ

SDGs×企業 第32回

歴史ある結婚式場としてだけでなく、社会貢献や地域活性化を目的とした商品企画やイベントの企画運営を行う総合プロデュース企業として進化を続ける八芳園。山梨市内の未利用桃を利用し、同社のパティシエが製品化した冷凍フルーティピッツァは、しゃりっとしたリンゴのような食感と桃のさわやかな甘みが後を引く、新感覚ピッツァとして好評だ。

Text Rie Nakajima

SDGs×企業 第32回

歴史ある結婚式場としてだけでなく、社会貢献や地域活性化を目的とした商品企画やイベントの企画運営を行う総合プロデュース企業として進化を続ける八芳園。山梨市内の未利用桃を利用し、同社のパティシエが製品化した冷凍フルーティピッツァは、しゃりっとしたリンゴのような食感と桃のさわやかな甘みが後を引く、新感覚ピッツァとして好評だ。

SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ
フルーツ王国・山梨県山梨市にて、太陽の光をたっぷりと浴びて育った極上の桃。

八芳園は、東京・白金台に位置し、400年以上の歴史を持つ日本庭園を有する。企業理念として「日本のお客様には心のふるさとを、海外のお客様には日本の文化を」を掲げており、日本文化の発信に努めている。現在では結婚式場の運営にとどまらず、社会貢献や地域活性化を目的とした商品企画やイベントプロデュースにも取り組んでいる。東京2020大会ではホストタウン活動において「食」を通じた文化や地域の魅力発信を支援し、大会後も各自治体との連携を続けている。その一例が、山梨市の未利用桃を活用した「フルーティピッツァプロジェクト」である。

山梨市は果物の生産量日本一を誇るが、農業の特性上、収穫されずに廃棄される桃も多い。八芳園はこの問題を解決すべく、山梨市と協働し、未利用桃をピッツァに活用するというアイデアを発案した。桃の特性を生かし、ワインとともに楽しめる冷凍ピッツァを全国に展開。八芳園のペストリー部門は、桃の食感を損なわないよう試行錯誤を重ね、真空パックでの輸送により鮮度を保つことに成功した。

この「フルーティピッツァ」は山梨の旬の桃を使い、持続可能な社会を目指したプロジェクトとして注目を集めている。八芳園は今後も各地域の特色を生かした新たな「食」の開発に積極的に取り組み、地域活性化やフードロス削減に貢献していく方針である。

  • SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ
    桃は足が早く、まずは収穫した桃の出荷に集中する必要がある。
  • SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ
    地面に落ちた桃は、人手不足により拾うことができず、廃棄が発生していた。
  • SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ
    反射シートに落ちた、新鮮でおいしい桃を利活用するプロジェクト。
  • SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ
    甘みと塩味が調和する、桃と生ハムの山梨Cityフルーティピッツァ。
  • SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ
  • SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ
  • SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ
  • SDGs×企業 第32回、八芳園、甘さとろける新感覚・桃のピッツァ

●八芳園
TEL 0570-064-128(代表)
happo-en.com

※『Nile’s NILE』2024年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。