八芳園は、東京・白金台に位置し、400年以上の歴史を持つ日本庭園を有する。企業理念として「日本のお客様には心のふるさとを、海外のお客様には日本の文化を」を掲げており、日本文化の発信に努めている。現在では結婚式場の運営にとどまらず、社会貢献や地域活性化を目的とした商品企画やイベントプロデュースにも取り組んでいる。東京2020大会ではホストタウン活動において「食」を通じた文化や地域の魅力発信を支援し、大会後も各自治体との連携を続けている。その一例が、山梨市の未利用桃を活用した「フルーティピッツァプロジェクト」である。
山梨市は果物の生産量日本一を誇るが、農業の特性上、収穫されずに廃棄される桃も多い。八芳園はこの問題を解決すべく、山梨市と協働し、未利用桃をピッツァに活用するというアイデアを発案した。桃の特性を生かし、ワインとともに楽しめる冷凍ピッツァを全国に展開。八芳園のペストリー部門は、桃の食感を損なわないよう試行錯誤を重ね、真空パックでの輸送により鮮度を保つことに成功した。
この「フルーティピッツァ」は山梨の旬の桃を使い、持続可能な社会を目指したプロジェクトとして注目を集めている。八芳園は今後も各地域の特色を生かした新たな「食」の開発に積極的に取り組み、地域活性化やフードロス削減に貢献していく方針である。
●八芳園
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※『Nile’s NILE』2024年11月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています