しいたつほだ場
県西部の山間にある日野町(ひのちょう)では、「しいたつ」こと廣瀬俊介さんが原木しいたけを栽培。廣瀬さんは“しいたけ好き”が高じて、原木しいたけ栽培に向くこの地に岡山県から移住してきた。
原木しいたけは、ほだ木に菌を植えてから2年後に生える。年月がかかるからこそうまみが強く、肉厚で肉質が密となる。廣瀬さんいわく「しいたけ栽培のポイントは、ほだ木作り。コナラなどの木を切り出すところから私は手掛けますが、その木をどれだけ乾燥させ、どのタイミングで菌を植えるかの判断が大事。菌が成長しやすいほだ木を作るのです」
栽培したしいたけを、廣瀬さんは乾しいたけにして出荷する。その際、昔ながらの天日干しを再現した、低温長時間の乾燥方法をとる。こうしてできた乾しいたけは熱湯で15分で戻る手軽さと、戻し汁のおいしさが特徴。「強い熱風で短時間で乾かす一般的な乾しいたけの戻し汁は、えぐみを感じることがあります。でも私たちのものは風味がまろやかでうまみがたっぷり。吸い物としてそのまま飲みたくなるほどです」