2005年には、東京・代々木上原に「飄香」をオープン。こぢんまりと落ち着いた店内はほどよくカジュアル。ディープで本格的な四川料理を気軽に食べられる店として、大きな人気を集めた。
ただ、井桁氏の心の中にあったのは、「いつかは器、空間も本格的に整え、四川料理の技術の粋である高級宴会料理を提供する店を作りたい」という思い。その夢を実現したのが、2012年に移転した現在の店だ。
昨年は成都の名店「松雲澤」で修業し、四川料理の正統を継ぐ「松雲門派」の料理人として公式に認められるなど、料理人としてさらに飛躍した。
「私は本当に四川が好き。料理も好きだし、文化も歴史も好き。願いが叶うなら唐時代の四川にタイムスリップして、酒を酌み交わしている杜甫と李白を陰から見ていたい(笑)」
四川への強い思いを形で表現し続ける井桁氏。ますます充実の時期を迎える。
井桁良樹
1971年、千葉県生まれ。千葉の「岷江」「知味斎」で合計11年間修業。上海、成都で1年ずつ研鑽を積み、2005年「飄香」を代々木上原に開業。2010年、銀座三越に2号店をオープン。2012年に本店を麻布十番に移転。2018年、六本木ヒルズに「飄香小院」をオープン。
●中華菜・老四川 飄香
東京都渋谷区広尾5-19-1
HIROO VILLAGE 1-2F
TEL 03-03-6277-2141
www.piao-xiang.com
※「中華菜・老四川 飄香 麻布十番本店」は、上記の広尾に移転しました
※『Nile’s NILE』2019年3月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています