地方の魅力を再発見
「僕は今までどちらかと言うと海外に目が向いていましたが、今回、高知に通い詰めたことで日本の地方が持つ未知数の可能性に目覚めました。食文化はもとより歴史、経済、伝統文化などを教わる中で多くのおもしろい発見があったんです」
「今後はほかの地方でも、料理イベントなどを介した食材と人の交流を仕掛けたいですね。異質な文化や魅力的な個性がぶつかり合うところに新鮮な発見が生まれ、それが刺激になって何かしら新しい試みが生まれる。そう確信しています」
下村氏は今、外向き(海外)と内向き(日本の地方)の双方向で“下村ワールド”を広げようとしている。新展開に注目したい。
井原尚徳 いはら・ひさのり
1984年、高知県生まれ。2010年より高知市内のイタリアンレストランで研鑽を積んだ後、イタリアへ渡航。13年8月、ヴィラサントリーニ入社。同年12月、館内レストランのシェフに就任。18年、二つ星レストラン「レ・クレイエール」にて研修のため渡仏。20年と21年の『ゴ・エ・ミヨ』に掲載される。
logue
TEL 088-856-0007
下村浩司 しもむら・こうじ
1967年、茨城県生まれ。辻調理師専門学校卒業後、都内フランス料理店で修業を始め、 90年に渡仏。「ラ・コート・ドール」「マーク・ヴィエラ」「ギィ・サヴォワ」などで8年間修業を重ね、 98年に帰国。六本木「ザ・ジョージアンクラブ」を経て、2001年に乃木坂の「レストラン・フウ」のシェフに就任する。07年に独立し、08年には『ミシュランガイド東京』で二つ星を獲得。
●エディション・コウジ シモムラ
TEL 03-5549-4562
※『Nile’s NILE』2021年7月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています