スプーンを氷に差し入れると、あまりのやわらかさに逆に不安になるほど。口の中で冷たさがほどけて、はかなさは夢の食べもののようだ。確かに甘みと酸味が調和し、いちごの旨みが伝わってくる。果肉の食感も楽しい。
数年前、四代目大野屋氷室のかき氷をスパウトパウチ容器に入れた「飲むかき氷」を発売したところ、「buyer’s room 2021」にて経済産業大臣賞を受賞した。この商品も「まかないでいつも食べているかき氷を家でも食べたい」という夕希さんの思いをきっかけに生まれたものだ。
「好きだからこそ、こだわれるんです。メニューや商品の開発も、自分たちが食べたいものを考えています」
夕希さんの笑顔は涼やかで、まぶしい情熱に満ちている。伝統と愛がいっぱいの四代目大野屋氷室には、また訪れたくなるような魅力があふれていた。
●四代目大野屋氷室
東京都台東区上野6-14-1
ヒダリキキ1F
TEL 03-6802-7660
www.yondaimeoonoya.com