昔ながらの手動式削り器で、ひとつひとつ丁寧にかき氷を作っていく。 花火大会をイメージした店内。紺の壁に赤いちょうちんが鮮やかだ。 「かき氷でお客様を驚かせ、楽しませたい」と笑顔の森西さん。 自然の寒さで育った天然氷。森西さんは採氷にも参加している。
ひみつ堂のかき氷は一年中営業しており、夏と冬で氷の削り方を変えている。夏は氷に対して削り器の刃をわずかに立てて氷感を増し、冬は極限まで刃を寝かせてふわふわに削る。
かき氷は本来、涼をとるための食べ物だ。そのため、夏は氷を食べる満足感を味わってもらい、冬は体が冷えないよう冷たさを抑え、よりスイーツ的に楽しんでもらうという方針だという。通年メニューはいちごみるくのみ。逆に旬の食材を使った季節ごとのメニューは非常に充実している。
例えば、9月のおすすめは「生ぶどう三昧」だ。巨峰の皮を煮出した蜜に、皮をむいた実をトッピングしてあり、まるごと食べられる大きなぶどうのよう。蜜の紫色と実の黄緑色の対比とともに、秋を鮮烈に感じる商品だ。
味覚的にも視覚的にも楽しく、驚きに満ちたひみつ堂。そこで出合えるのは、日本の伝統芸能の美意識に裏打ちされた、体験としての「かき氷」なのだった。
●ひみつ堂
東京都台東区谷中3-11-18
TEL 03-3824-4132
himitsudo.com