「情報交換をしながら人のやり方を参考にしてアレンジしたり、励ましあったり。そういうことができるのが、節なり会の強みです」
全国有数の産地として高品質なきゅうりをより多く作り続けられるのは、この団結力があってこそ。JAや全農とも協力して、新規就農しやすい環境を模索しているのだ。
「節なり会は、みんなで作り上げる概念みたいなものです」
そう語るのは、初代会長の永田亮さん。節なり会のトップは2〜3年で交代しており、先の川島さんはすでに3代目の会長なのだとか。
「会は、あくまでみんなのもの。カリスマ性のあるリーダーが“縦の力”で率いていくよりも、“横のつながり”を大切に、自由にやっていく。そのために意識して回転を速くしています」
「節なり会は、一人ひとりが主体的に参加して大きくなりました。このつながりがあるからこそ、館林は、これから10年20年と安定して発展する希望のある産地だと思いますよ」
川島さんもそう言って、夏空の下で晴れやかに笑った。
きゅうりは、成長が早い野菜だ。茎が伸びるのも葉が茂るのも早く、作付けしてから1ヵ月足らずで大きく実をふくらませる。節なり会の自由さ、そして未来へ向かって発展し続ける様は、彼らの作る立派なきゅうりの姿に重なるようだった。