水はポンプで地下100mから吸い上げられ、地中に張り巡らされているパイプを通じてまかれる。海に近いが地下深くから水を引くことで、塩害の心配もないのだそうだ。
「水管理と同時に、砂地でも栄養が流れていかない土壌作りも大切。正直、水だけで太らせたものを作ることもできますが、食べた人がもう一度食べたいと思ってくれるものを目指さないと意味がない。それをきゅうりで伝えていくのはなかなか難しくて。きゅうりに味を求めて食べる人って少ないので。サラダの彩りとか、食感を足すために使うのがほとんど。けれど、加賀太きゅうりはきゅうり本来のうまみが残っている品種なので、味自体が魅力の一つでもある。だから一度でいいからまず食べてもらえるように努力しています」
加賀太きゅうり部会では、オリジナルのキャラクターを考案して名前を一般公募するなど、広報活動にも惜しみなく力を入れている。
中林さんは、「加賀太きゅうりを、地元の方以外にも身近に感じるものにしていきたい。当たり前のように、食卓に並ぶ一品に少しずつ近づけたいんです」と目標を語った。