梅安・江戸の料理 2

映画『仕掛人・藤枝梅安』の料理仕掛の監修に当たった「分とく山」総料理長・野﨑洋光さんに、梅安お墨付きの江戸の料理を披露していただこう。

Photo Masahiro Goda Text Junko Chiba

映画『仕掛人・藤枝梅安』の料理仕掛の監修に当たった「分とく山」総料理長・野﨑洋光さんに、梅安お墨付きの江戸の料理を披露していただこう。

分とく山 江戸の料理
分とく山 江戸の料理。

映画『仕掛人・藤枝梅安』には、池波正太郎さんらしい“料理仕掛”がふんだんに盛り込まれている。料理や食事の場面も、大きな見所の一つだ。

江戸の料理を味わった仕掛人コンビ、豊川悦司&65286;片岡愛之助さんは、こうささやき合ったそうだ。「食のシーンはもうワンテイク撮りたいね」
梅安のお墨付きを得た江戸の料理を披露していただくとしよう。

浦里

分とく山「浦里」
山名屋浦里という花魁にちなむ料理。大根おろしと種を抜いた梅干し、もみ海苔、おかかをあえ、醤油をちょっと落として食す。花魁が気に入った客にだけ、朝、手ずからささっと作ってくれたという。いたってシンプルだが、背景の物語を含めて、なかなかオツな味わいである。

鰹節めし

分とく山「鰹節めし」
炊きたて、熱々のご飯に、削りたてのおかかとネギをかけたもの。山葵を薬味に、醤油をたらす、それだけでおかずいらずの立派なごちそうだ。梅安は時に鰹の中落ちをづけにした鰹めしを味わうことも。当時、鰹は高級魚だったから、かなりぜいたくな一品である。
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ラグジュアリーとは何か?

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