2024ジュネーブ新作ハイライト

新作タイムピースのエキシビション、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2024が4月9日から15日の日程で開催された。相前後して、その他の多くのブランドが市内ホテルやアトリエなどで新作を発表。今年のハイライトとなるモデルを紹介しながら、ウォッチのトレンドや今後を占う。

Photo   Text Yasushi Matsuami

新作タイムピースのエキシビション、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2024が4月9日から15日の日程で開催された。相前後して、その他の多くのブランドが市内ホテルやアトリエなどで新作を発表。今年のハイライトとなるモデルを紹介しながら、ウォッチのトレンドや今後を占う。

2024ジュネーブ新作ハイライト、時計特集
PATEK PHILIPPE

時分積算計を同サブダイヤル上に統合したフライバック・クロノグラフ機能搭載の「ノーチラス」のニューバージョン。今年、他の新作でも用いられているブルーグレー・オパーリン文字盤と、色調をそろえたデニム柄のカーフスキンストラップが、新しいイメージを創出。「ノーチラス フライバック・クロノグラフRef.5980/60」自動巻き、ケース径40.5㎜(10-4時位置)、WGケース×デニム柄カーフスキンストラップ、3気圧防水、12,500,000円。パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL 03-3255-8109

SIHHから変貌を遂げて5回目となるウォッチズ&ワンダーズが開催された。パンデミックを経て、昨年完全リアル開催が実現し48メゾンが参加。今年は6メゾンを加え54メゾン態勢となった。来場者数も約14%増の4万9000人。会期中の最後の3日間は一般の来場者を受け入れ、約1万9000枚のチケットを売り上げた。

市内のホテルで独自に新作を発表するメゾンも増え、特にボーリヴァージュホテルでは、ここが一つの会場かと思えるほど多くのブランドが顔をそろえた。昨年に続き、ミドルレンジのブランドを中心とする展示会、タイム・トゥ・ウォッチには約50ブランドが参加。アントワーヌ・プレジウソとヴィンセント・カラブレーゼという重鎮時計師が、独立時計師アカデミーの展示会場から離れてこちらに参加した。この他、ジュネーブ市内でもさまざまなイベントが企画され、ジュネーブをタイムピースの発信地とし、観光資源にもしていこうという昨年来の動きは強まった印象だ。

新作に関しては、メゾンの力量を発揮した“攻めた”モデルが目についた。ジャガー・ルクルト初の3軸トゥールビヨンモデルや、IWCが発表した400年に一度のイレギュラーな閏(うるう)年設定にも対応するセキュラーカレンダーモデルなどには感服した。

時計専業以外のハイブランドの攻勢も相変わらず。シャネルからはオートマタ、エルメスからは3軸トゥールビヨン&ミニッツリピーター、独自会場で新作を発表したグッチからもフライングトゥールビヨン・カリヨンミニッツリピーターが登場した。

2024ジュネーブ新作ハイライト、時計特集
CARTIER

1928年発表のオリジナルモデルを着想源とするモノプッシャークロノグラフが、26年ぶりに登場。アールデコ華やかなりし当時の意匠をまといつつ、ケースに合わせたトノー型の新キャリバーを搭載。「カルティエ プリヴェ「トーチュ」モノプッシャークロノグラフ」手巻き、ケースサイズ43.7×34.8㎜、PTケース×アリゲーターストラップ、日常生活防水、10月発売予定、世界限定200本、9,306,000円(予価)。カルティエ カスタマーサービスセンター TEL 0120-1847-00  ©Cartier ©VALENTIN ABAD
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ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。