SIHHから変貌を遂げて5回目となるウォッチズ&ワンダーズが開催された。パンデミックを経て、昨年完全リアル開催が実現し48メゾンが参加。今年は6メゾンを加え54メゾン態勢となった。来場者数も約14%増の4万9000人。会期中の最後の3日間は一般の来場者を受け入れ、約1万9000枚のチケットを売り上げた。
市内のホテルで独自に新作を発表するメゾンも増え、特にボーリヴァージュホテルでは、ここが一つの会場かと思えるほど多くのブランドが顔をそろえた。昨年に続き、ミドルレンジのブランドを中心とする展示会、タイム・トゥ・ウォッチには約50ブランドが参加。アントワーヌ・プレジウソとヴィンセント・カラブレーゼという重鎮時計師が、独立時計師アカデミーの展示会場から離れてこちらに参加した。この他、ジュネーブ市内でもさまざまなイベントが企画され、ジュネーブをタイムピースの発信地とし、観光資源にもしていこうという昨年来の動きは強まった印象だ。
新作に関しては、メゾンの力量を発揮した“攻めた”モデルが目についた。ジャガー・ルクルト初の3軸トゥールビヨンモデルや、IWCが発表した400年に一度のイレギュラーな閏(うるう)年設定にも対応するセキュラーカレンダーモデルなどには感服した。
時計専業以外のハイブランドの攻勢も相変わらず。シャネルからはオートマタ、エルメスからは3軸トゥールビヨン&ミニッツリピーター、独自会場で新作を発表したグッチからもフライングトゥールビヨン・カリヨンミニッツリピーターが登場した。