ザ アワーグラス ジャパン桃井社長が語るパテック フィリップ ブティック 東京 銀座

不朽の価値 第24回 まつあみ靖、ザ アワーグラス ジャパン桃井社長が語る パテック フィリップ ブティック 東京 銀座
グランドオープンに先立ち、テープカットセレモニーが行われた。左から、ザ アワーグラス ジャパン代表取締役社長の桃井敦氏、パテック フィリップ社長のティエリー・スターン氏、ザ アワーグラス グループマネージングダイレクターのマイケル・テイ氏、パテックフィリップ・ジャパン代表取締役CEOの長野英樹氏。

前号でお伝えしたように1月29日、パテック フィリップ ブティック 東京 銀座がグランドオープンした。ザ アワーグラス ジャパン社長の桃井敦氏に、このブティックをめぐって話を聞いた。「腕時計ビジネスに関わってそろそろ40年ですが、当初からパテック フィリップを扱ってきた中で、名だたるブランドのブティックが軒を連ねる日本を代表するショッピングエリアの銀座に、パテック フィリップのみを扱うブティックが存在するべきだとずっと思っていました。2002年にアワーグラス銀座店を作って10年ほど経った頃から、パテック フィリップだけの専門的な取り組みをしたいという思いが強くなり、6年ほど前にパテック フィリップジャパンにビジネスプランの提案をし、一昨年正式に承認を得て、ブティックオープンに向けて動き始めました」

晴れて迎えたグランドオープン前日にはパテック フィリップ社長のティエリー・スターン氏も来日し、テープカットセレモニーやVIP顧客を迎えてレセプションパーティーが行われた。「ありがたいことにオープン以来、お客様の数が非常に増え、休日には1日に150 ~ 160名もの来店をいただくこともあります。20年前にはパテック フィリップの知名度は今ほどではなく、富裕層の密かな楽しみのような側面もありました。それがこの10年ぐらいで劇的に変わった。かなり広く知られたことはうれしい反面、容易には買えない状態が続き、昔からファンでいてくれる方にはストレスフルな面もあり、よろこんでばかりもいられません。供給については我々が発言する立場にはありませんが、極端に増産する必要もないだろうと思っています。車でもバッグでも、超高級商材には慢性的な品薄状態はやむを得ない面もありますから。そういう状況下でも、我々のブティックに来ていただければ、一般的な正規販売店よりは多少多く実機をお見せできますし、そのことに感謝の声をいただくこともあります。それから希少性の高いグランドコンプリケーションクラスのモデルとなると、取り扱った経験のあるリテールも限られます。我々は豊富な販売実績から、より詳しい製品情報を提供できることにも自信を持っていますし、それが購入時の安心感にもつながる。それがブティックとしての我々の役割だと思っています」

桃井氏は、ブティック内の“もてなし”のスペースにもこだわったという。

「ここまで本格的なゆったりとしたバーカウンターをしつらえているブティックは、世界でもあまり例がない。ここにはメイドインジャパンにこだわって酒類をそろえています。それから奥のミーティングルームは、ダイニングとしても使えることを意識した造りで、ケータリングで食事も楽しんでいただけます。我々のお客様は皆さん仲がよく、さらに交流を深められる場をここで提供できます。利害関係もしがらみもなく、高級時計を心底愛する皆さん同士が楽しんでもらう中で、パテック フィリップ ワールドを見て感じていただいています」

パテック フィリップの入門から奥深い世界までが、このブティックに用意された。

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    世界のブティックでもあまり例のない本格的なバーカウンター。
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    ダイニングとしても使えるよう意識したミーティングルーム。
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    昨年10月に発表された新コレクション「Cubitus」の実機にも、ここで出会える可能性も。若く新しい顧客を優先する方針が打ち出され、デリバリーも比較的スムーズだという。写真はプラチナケースに大型日付、曜日、ムーンフェイズを搭載した「Cubitus 5822P-001」。13,990,000円。
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●パテック フィリップ ブティック 東京 銀座
東京都中央区銀座5-4-6 ロイヤルクリスタル銀座 
営業時間11:00~19:00 年中無休(年末年始を除く) 
TEL 03-6264-5307

まつあみ靖 まつあみ・やすし
1963年、島根県生まれ。87年、集英社入社。週刊プレイボーイ、PLAYBOY日本版編集部を経て、92年よりフリーに。時計、ファッション、音楽、インタビューなどの記事に携わる一方、音楽活動も展開中。著者に『ウォッチコンシェルジュ・メゾンガイド』(小学館)、『スーツが100ドルで売れる理由』(中経出版)ほか。

※『Nile’s NILE』2025年4月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています

ラグジュアリーとは何か?

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それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「Nileport」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。