芸術性に満ちたデザインと 確かな技術の先にあるもの
デザインと機能性の融合。今日それはあらゆる分野での課題であり、多くの工業デザイナーや建築家が真剣に取り組んでいる。デザインとは、そもそも「計画を記号で表す」といった意味合いの語源を持つだけに、決してアイキャッチだけで成り立つものではない。
東京からクルマで南下すること1時間少々、三浦半島のベイサイドマリーナホテル横浜はまさにそんな施設だ。全客室コンテナ型というユニークなデザインで、一面をガラスでとった形状は開放感があり海沿いによく似合う。それにスタイリッシュな造形はファッションセンス的見地からも優れているといえるだろう。それと同時に、じつはコンテナ型をモチーフにしたことに大きなメリットがある。コンテナ船の定型サイズに合わせることで輸送費を安くし、製造費の低いタイで生産した。つまり、革新的なアイデアで合理的にコスト削減を実行したのである。
デザインと機能性にこだわったリンカーンの足跡
では、リンカーンMKXはどうか。そもそもリンカーンというブランド自体が、革新的アイデアに沿った足跡を多く残している。
その最たるものが、1935年にリリースされたリンカーン・ゼファーで、当時「アメリカではじめてデザインに成功した流線型自動車」と高く称賛された。それ以前にも他メーカーから流線型のクルマは登場していたが、空力が着目された時代において美しいデザインと共存したのはこのクルマが最初だったのだ。
MKXがそうした流れの中で成り立っているのは明白だ。トレンドとなるクロスオーバービークルとして、快適な乗用車用フレームをそのまま乗降性の高い車高に上げてつくられた。要するに、流行りのカテゴリーで快適性や利便性を追求している。また、前後のオーバーハングを縮めて運動性能を高めたのもそう。オーバーハングとは車輪の中心から見たタイヤの外側の部分。ここを短く(=軽く)すればデザインにまとまりが出て、クルマのコントロール性能は上がる。
そんな機能性を重視したパッケージをデザインしながら1941年型コンチネンタルをモチーフにした大胆で美しいグリルを装着した。最新モデルMKXに、リンカーンのアイデンティティを加えることで、この上なく存在感が高まる。まさにデザインと機能、さらにはモダンとクラシックが融合されたクルマだ。
●LINCOLN MKX
ボディ:全長4,740×全幅1,930×全高1,685㎜
エンジン:V6 3.7L DOHC
最高出力:227kW/6,500rpm
最大トルク:380N・m/4,000rpm
トランスミッション:セレクトシフト付6速AT
価格:6,300,000円
※ボディカラーは写真のタキシードブラックのほかにホワイトプラチナムもあり
●問い合わせ フォードお客様相談室 TEL0120-125-175
※『Nile’s NILE』に掲載した記事をWEB用に編集し再掲載しています