変わりゆく中国、変わらない中国
中国は、さきに触れたように大型都市である深圳(Shenzhen)でクルマを受け取った。そこから純正のカーナビを頼りに(じつに頼りがいがあった)、広州(Guangzhou)へハイウェイで。そこからやはり高速を使い、慶肇(Zhaoqing)へと走った。
途中、山中の道もルートに組み込まれていたが、いたるところが舗装されており、また舗装工事中だったのには少々驚いた。交通量はそれほど多くない模様だが、農村のインフラ整備なのだろうか。中国はどんどん変わっている、と久しぶりに中国に来たという同行者は感想を述べていた。
それから名前もわからない小さな街をいくつも抜け、梧州(Wuzhou)を経由して、ハイウェイで陽朔県(Yangshuo)へ。日本人韓国客におなじみ、カルスト地形の岩のような山のような隆起が無数に生えている奇景が、高速道路の周囲に現れる光景は息をのむばかりだ。ここは変わらない中国だ。梧州では半袖でも汗が出るぐらいだったのに、陽朔ではフリースを着てちょうどいいぐらい。200kmほどのドライブだが、劇的な変化だ。外国からの観光客向けの施設も着実に整備が進んでおり、桂林などはハワイのようなりっぱなリゾートホテルまであった。もちろん従業員はみな上手に英語を話す。
最後は陽朔から一般道を通って、桂林(Guilin)へと向かった。これも興味ぶかいコースだ。中国の農村の生活が垣間見られるからだ。道路に沿って商店やレストラン(といっても小さなもの)が並ぶ。街を離れると、道路の両脇には竹林(いまだに工事の足場は竹で組まれている)や、米の水田。タイやベトナムを連想させる南の風景だ。村が時おり現れるが、かならず入り口に大きな門がある。未知の客を誰何するためだろうか。大陸の歴史を感じさせた。
800km走ったのちのQ3の印象は、東京など日本の市街地で、おおいに使い勝手のいい1台になりそう、というものだ。ボディサイズも適当で、室内が狭くなく、外寸が大きすぎることもない。セダンでもない、ハッチバックでもない、新しいコンセプトのクルマを探しているひとにとって、Q3ですいすい市街地を動きまわるイメージはとても合っているのではないだろうか。
Audi Q3 2.0 TFSI Quattro
ボディサイズ:全長4,385×全幅1,831×全高1,590mm
エンジン:2リッター直4DOHC16バルブ+ターボチャージャー
最高出力:155kW(211ps)/5,000-6,200rpm 最大トルク:300Nm/1,800-4,900rpm トランスミッション:7段Sトロニック
※『Nile’s NILE』に掲載した記事をWEB用に編集し再掲載しています