パーソナルSUVで中国を走る

2011年4月、アウディは上海での自動車ショーにて「Q3」を発表。SUVのジャンルでもコンパクトで高品質、シャレたデザインが求められるようになった今、「Q3」もまた、小粋な街乗りグルマが欲しいひとに大いに注目されている。

Text Fumio Ogawa

2011年4月、アウディは上海での自動車ショーにて「Q3」を発表。SUVのジャンルでもコンパクトで高品質、シャレたデザインが求められるようになった今、「Q3」もまた、小粋な街乗りグルマが欲しいひとに大いに注目されている。

コンパクトだが余裕あるQ3

  • 空間的にも余裕がある室内。試乗車はブラックの内装だったが、オプションでは多彩なバリエーションが用意される予定。 空間的にも余裕がある室内。試乗車はブラックの内装だったが、オプションでは多彩なバリエーションが用意される予定。
    空間的にも余裕がある室内。試乗車はブラックの内装だったが、オプションでは多彩なバリエーションが用意される予定。
  • 荷室は意外にも広く、使い勝手にもすぐれる。 荷室は意外にも広く、使い勝手にもすぐれる。
    荷室は意外にも広く、使い勝手にもすぐれる。
  • Q3は既存のQ7、Q5のファミリーに属し、もっともコンパクト。 Q3は既存のQ7、Q5のファミリーに属し、もっともコンパクト。
    Q3は既存のQ7、Q5のファミリーに属し、もっともコンパクト。
  • 空間的にも余裕がある室内。試乗車はブラックの内装だったが、オプションでは多彩なバリエーションが用意される予定。
  • 荷室は意外にも広く、使い勝手にもすぐれる。
  • Q3は既存のQ7、Q5のファミリーに属し、もっともコンパクト。

アウディQ3は、日本でもセールス好調というQ5の下に位置するモデルで、さきにも書いたように外寸は比較的コンパクトで、かつクーペのようなデザインゆえ、スポーツカーの代わりに乗ってもいいようなスタイリッシュさを持っている。

外観は、現在のA8、A6、そしてA1という新しいモデルと共通する、最近のアウディのグリルをはじめ、LEDを効果的に使ったヘッドランプとリアコンビネーションランプが目を惹く。アウディの大きな魅力である高品質感はしっかりあり、ボディ各部の合わせ目がぴしっとしている。その硬質感とともに、内装の作りのよさが印象に残る。リアのハッチゲートが寝かされているが、荷室は狭くない。身長175cmの男が4人乗車していても、大型スーツケース2つを楽々搭載できる。リアシートは分割可倒式なのでゴルフクラブなど長尺ものを入れるのも問題ないはずだ。

インテリアは、ボディ幅に余裕があることもあり、広々感が強い。スポーティな印象を強調するようにした、と内装を担当したアウディ・デザインセンターのデザイナーは語っていたが、タイト(窮屈)でなく、いわゆるヨンクに時々あるような落ち着かなさもなく、いいかんじのクルマとの一体感がある。

  • 中国では高速道路の整備が急ピッチで進められている。3車線のハイウェイでの制限速度は120km/h。大都市周辺をのぞけば道はかなり空いている。 中国では高速道路の整備が急ピッチで進められている。3車線のハイウェイでの制限速度は120km/h。大都市周辺をのぞけば道はかなり空いている。
    中国では高速道路の整備が急ピッチで進められている。3車線のハイウェイでの制限速度は120km/h。大都市周辺をのぞけば道はかなり空いている。
  • エンジンは横置き搭載されるのが、Q5との相違点で、これにより全長はコンパクトに。 エンジンは横置き搭載されるのが、Q5との相違点で、これにより全長はコンパクトに。
    エンジンは横置き搭載されるのが、Q5との相違点で、これにより全長はコンパクトに。
  • ウィンドウに仮ナンバーを貼り付けての中国ドライブ。 ウィンドウに仮ナンバーを貼り付けての中国ドライブ。
    ウィンドウに仮ナンバーを貼り付けての中国ドライブ。
  • 中国では高速道路の整備が急ピッチで進められている。3車線のハイウェイでの制限速度は120km/h。大都市周辺をのぞけば道はかなり空いている。
  • エンジンは横置き搭載されるのが、Q5との相違点で、これにより全長はコンパクトに。
  • ウィンドウに仮ナンバーを貼り付けての中国ドライブ。

アウディQ3の操縦感覚は、万人向けだ。いきなりセダンから乗り換えても、なんの違和感もない。2リッターターボエンジンは、低回転域のトルクが豊富、つまり、少しアクセルペダルを踏んだだけでクルマが力強く加速する。それにハンドルを切ったときに車体が動く感覚が自然で、スポーツカーほど過敏でないが、ヨンクという言葉から連想されるほど鈍でない。タイヤ(ピレリ・スコーピオン)が硬めのキャラクターをもっていたせいでハンドルへの反応速度が高かったのかもしれないが、運転好きのひとも、Q3は満足いくと感じられた。

乗り心地は快適で、フワフワとしていないし、路面の凹凸でポンポンはねることもない。中国の道では意外にもきれいな舗装路が多かったせいかもしれないが、気持ちよく運転できた。室内の静粛性も高く、中国の3車線の高速道路の法定速度である120km/hでは外部からの侵入音が大きく感じられることはない。後席にいても(静かだな)と思えた。

燃費も重要なテーマ、とアウディでは言う。Q3にはエンジンのトルクをムダなく駆動系に伝える7段Sトロニック変速機が採用されている。加えて、信号待ちなどでエンジンを停止させる「スタートストップシステム」をはじめ、ブレーキを踏むとそこで電気がおきバッテリーに充電される「エネルギー回生システム」、さらに、一定速度での高速走行時にクラッチが切られてエンジンがアイドリング状態になる「コースティングモード」も。燃料消費を抑えてくえるさまざまな技術が投入されている。

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ラグジュアリーとは何か?

ラグジュアリーとは何か?

それを問い直すことが、今、時代と向き合うことと同義語になってきました。今、地球規模での価値観の変容が進んでいます。
サステナブル、SDGs、ESG……これらのタームが、生活の中に自然と溶け込みつつあります。持続可能な社会への意識を高めることが、個人にも、社会全体にも求められ、既に多くのブランドや企業が、こうしたスタンスを取り始めています。「NILE PORT」では、先進的な意識を持ったブランドや読者と価値観をシェアしながら、今という時代におけるラグジュアリーを捉え直し、再提示したいと考えています。